『後漢書』本紀より 後漢の後半に起きた叛乱
いつか書きたい『三国志』
【目的】
のちに孫呉と蜀漢となる「辺境」で起きた叛乱を網羅し、
中原から分化する兆候を探します
【特徴】
孫呉と蜀漢は、地域の性質が違う
揚州は漢族が「割拠」した
⇒袁術や孫権ら、地元の人を用いた政権が独立する前提
賊を相手にしても、平定に数年かかる
⇒蜀よりも呉は長持ちし、東晋も建国できた
荊州や益州で叛乱するのは、主に異民族
⇒劉焉や劉備は、流れ着いた為政者
漢民族が自立を保つ基盤がない
⇒求心力を保ちにくく、諸葛亮の北伐が必要
のちの曹魏の版図では、異常に叛乱が少ない
赤壁まで: 後漢の国土を回復する戦い
赤壁より後: 後漢のときより国土を広げる戦い?
皇帝を名乗る人が現れるのは、順帝の死後
144年が最初 (それ以前の「賊」は、皇帝を名乗らない)
順帝の死後、後漢の滅亡を仄めかす怪事が始まる
地名は適当です・・・
皇帝 西暦 州名 できごと                          
順帝 126 涼州 2月、隴西の鍾羌が叛き、護羌校尉の馬賢が破る  
    幽州 8月、代郡太守が、鮮卑に殺された  
    幽州 11月、鮮卑が侵入し、中山国の北辺に出兵  
  127 幽州 2月、鮮卑が遼東郡と玄菟郡を寇す  
      護烏桓校尉のコウ曄が、南単于を率いて、鮮卑を破る  
    涼州 6月、西域長史の班勇と、敦煌太守の張朗が、3国を討つ  
  128 幽州 9月、鮮卑が、漁陽郡を寇す  
  129 幽州 11月、鮮卑が朔方に寇す  
    揚州 この歳、会稽郡を分割して、呉郡をつくる  
  131 幽州 護烏桓校尉のコウ曄が、鮮卑を破る  
    交州 12月、日南の2国が貢献する  
  132 揚州 2月、会稽郡で海賊の曾セイが、3県長を殺す  
      曾セイは、会稽東部都尉を攻める  
    揚州 3月、6郡の妖賊・章河が、49県を寇し、長吏を殺す  
    幽州 9月、鮮卑が、遼東郡を寇す  
  133 揚州 呉郡と会稽郡が飢えるので、種籾を貸す  
    幽州 3月、使匈奴中郎将の王チュウが、匈奴を率いて鮮卑を破る  
    涼州 4月、隴西南部都尉をおく  
    幽州 8月、鮮卑が代郡を寇す  
  134 益州 3月、益州の盗賊が令長を人質とし、列侯を殺す  
    涼州 7月、鍾羌が、隴西と漢陽に寇す  
      10月、護羌校尉の馬続が、鍾羌を破る  
    涼州 11月、武都郡の屯羌と外羌が、役人を破り、人畜を奪う  
  135 涼州 1月、馬賢が、鍾羌を大いに破る  
    涼州 10月、烏桓が、雲中郡に寇す  
      11月、度遼将軍のコウ曄が、烏桓を包囲して破る  
  137 荊州 1月、武陵蛮が叛き、充県を囲み、夷道を寇す  
      武陵太守の李進が、蛮を破る  
    益州 2月、広漢属国都尉が、白馬羌を破る  
    交州 5月、日南郡の蛮が、郡府を攻める  
    交州 7月、九真郡と交趾郡で、兵が反す  
    荊州 江夏郡の盗賊が、シュ県長を殺す  
  138 揚州 4月、九江郡の賊・蔡伯流が寇す  
      蔡伯流は、広陵郡に侵入し、江都県長を殺す  
    揚州 閏4月、蔡伯流が、徐州刺史・応志に降る  
    揚州 5月、呉郡の丞・羊珍が反し、郡府を攻める  
      呉郡太守の王衡は、羊珍を斬る  
    交州 6月、九真太守・祝良、交趾刺史・張喬が、蛮を平定  
    涼州 10月、焼当羌が、金城郡を寇す  
      護羌校尉の馬賢が羌を破ったが、羌はまた叛く  
  139   4月、馬賢が焼当羌を破る  
  140 涼州 4月、南匈奴左部が、美稷を囲む  
      5月、馬賢が匈奴を破り、南単于を殺す  
    雍州 5月、且凍羌が、三輔を寇して、令長を殺す  
      9月、且凍羌が、武都郡を寇し、隴関を焼く  
    幽州 9月、烏桓と羌が上郡を寇す  
      10月、使匈奴中郎将・張耽が、烏桓と羌を破る  
  141 雍州 閏1月、キョ唐羌が、隴西郡と三輔を寇す  
      3月、武威太守の趙沖が、キョ唐羌を破る  
      4月、キョ唐羌が、北地郡を寇す  
    涼州 9月、諸羌が武威郡を寇す  
  142 涼州 8月、南匈奴左部大人が、反す  
    徐州 この歳、広陵郡の賊・張嬰らが、広陵太守・張綱に降る  
  143 揚州 揚州、徐州の盗賊が、官庁を焼いて、吏民を殺す  
  144 荊州 3月、南郡、江夏郡の盗賊が、城邑を攻めるが、平定  
    涼州 4月、使匈奴中郎将の馬寔が、南匈奴左部を撃つ  
      胡羌と烏桓が、ことごとく馬寔に降る  
    揚州 8月、揚州、徐州の盗賊・范容と周生らが、城邑を寇す  
      御史中丞・馮赦が、盗賊を撃つ                
沖帝 144 揚州 9月、揚州刺史・尹ヨウ、九江太守・ケ顕が、歴陽で范容に殺される  
    交州 10月、日南郡の蛮夷が城邑を焼くが、交趾刺史・夏方に降る  
    揚州 11月、九江郡の盗賊・徐鳳と馬勉が、無上将軍を称する  
    揚州 12月、九江郡の盗賊・黄虎が、合肥を攻める  
    涼州 この歳、護羌校尉の趙沖が、戦没する              
質帝 145 徐州 1月、広陵の賊・張嬰がまた反し、江都県長を殺す  
    揚州 1月、九江郡の賊・徐鳳が、曲陽、東城の県長を殺す  
    揚州 2月、豫章太守・虞続が、収賄罪で死刑  
    揚州 3月、九江郡の賊・馬勉が、皇帝を称する  
      九江太守・トウ撫が、賊を平定する  
    揚州 4月、丹陽郡の賊・陸宮が、城を焼くが、丹陽太守・江漢が撃つ  
    幽州 6月、鮮卑が代郡を攻める  
    揚州 7月、廬江郡の盗賊が、尋陽を攻め、盱眙を攻める  
      トウ撫が、司馬の王章に盗賊を撃たせる  
    荊州 11月、南陽太守の韓昭が、収賄で死刑  
    揚州 11月、歴陽の賊・華孟が「黒帝」を称し、九江太守・楊シンを殺す  
      トウ撫が、華孟を撃つ  
  146 徐州 1月、広陵太守・王喜が、賊の討伐にぐずぐずして死刑  
    徐州 2月、詔「九江郡と広陵郡は、寇害がひどいから、救え」        
桓帝 147 荊州 2月、荊州と揚州で餓死が多数  
    兗州 11月、陳留郡の盗賊・李堅が皇帝を称するが、誅された  
  148 益州 3月、白馬羌が、広漢属国に寇し、長吏を殺す  
      益州刺史が、板楯番を率いて、白馬羌を平定  
    豫? 10月、長平の陳景が「黄帝子」を称する  
      10月、南頓の管伯が「真人」を称する  
  150 雍州 2月、扶風郡の妖賊・裴優が皇帝を称する  
  151 荊州 7月、武陵蛮が叛く  
  152 涼州 1月、西域長史・王敬が、于テン国に殺される  
    兗州 8月、済陰郡の句陽に黄龍が現れる 漢が滅びる  
    涼州 8月、金城郡の允街に黄龍が現れる ロコツな前兆!  
  153 涼州 1月、張掖郡に、白鹿が現れる  
    荊州 この歳、武陵太守の応奉が、蛮を降す  
  154 益州 閏9月、蜀郡の李伯が、宗室と称し「太初皇帝」を名乗る  
    徐州 11月、泰山郡、瑯邪郡で、公孫挙が長吏を殺す  
  155 徐州 7月、泰山郡、瑯邪郡に都尉を置く  
    涼州 7月、南匈奴が叛き、美稷を寇すが、安定属国都尉の張奐が撃つ  
  156 益州 3月、蜀漢属国の夷が叛く  
    幽州 7月、鮮卑が雲中を寇す  
    徐州 7月、泰山郡の公孫挙が、青州、兗州、徐州を寇する  
      中郎将の段熲が、公孫挙を斬る  
  157 交州 九真郡の蛮異が叛き、太守の児式が戦没する  
      九真都尉の魏朗が破るが、日南郡に蛮夷が移るだけ  
    荊州 11月、長沙郡の蛮が叛き、益陽に寇す  
  158 幽州 12月、鮮卑が侵入したので、張奐が南単于を率いて撃つ  
  159 幽州 2月、鮮卑が雁門郡を寇す  
    益州 2月、蜀郡の夷が、蚕陵に寇し、県令を殺す  
    幽州 6月、鮮卑が、遼東郡を寇す  
    雍州 11月、焼当羌が、隴右に寇すが、段熲が破る  
  160 涼州 閏月、焼当羌が張掖郡に寇すが、段熲が破る  
    益州 5月、漢中で山が崩れる  
    徐州 9月、泰山郡、瑯邪郡の賊・労丙が、百姓を寇す  
      御史中丞の趙氏に、州郡を督させて賊を撃たせる  
    交州 11月、日南郡の蛮族が、降る  
    徐州 11月、泰山郡の賊・叔孫無忌が、都尉の侯章を殺す  
      12月、中郎将の宗資が撃つ  
    荊州 12月、武陵蛮が、江陵を寇すが、車騎将軍の馮コンが撃つ  
      荊州刺史の度尚が、長沙郡の蛮を平定する  
  161 益州 6月、犍為属国の夷が寇し、益州刺史の山cが破る  
    雍州 6月、零吾羌らが、三輔を寇す  
    荊州 10月、南陽郡の黄武、襄城郡の恵得、昆陽郡の楽季が妖言  
    涼州 11月、羌が并州と涼州を寇すが、中郎将の皇甫規が破る  
  162 涼州 沈氐羌が、張掖郡と酒泉郡を寇す  
    荊州 4月、長沙郡の賊が、桂陽郡と蒼梧郡を寇す  
      5月、長沙郡、零陵郡で賊が立ち、  
       桂陽郡、蒼梧郡、南海郡、交趾郡を攻める  
      御史中丞・盛修が州郡の兵を率いるが、負けた  
    涼州 7月、羌が、漢陽郡、隴西郡、金城郡に寇す  
    荊州 8月、艾県の賊が、長沙の郡県を焼き、益陽県令を殺す  
      零陵蛮が叛き、長沙郡を寇す  
    徐州 瑯邪都尉を廃止  
    荊州 10月、武陵蛮が叛き、江陵郡を寇す  
      11月、馮コンが、武陵蛮を破る  
    涼州 11月、羌が、武威郡、張掖郡、酒泉郡を寇す  
  163 幽州 5月、鮮卑が遼東属国を寇す  
    荊州 7月、桂陽郡の盗賊・李研が、郡の境界を侵す  
      武陵蛮が叛き、武陵太守の陳奉が降す  
    交州 11月、南海郡の賊が、侵入  
  164 荊州 7月、荊州刺史・度尚が、零陵郡と桂陽郡と蛮夷を平定  
    涼州 10月、段熲が羌を破る  
  165 涼州 1月、段熲が羌を破る  
    荊州 6月、桂陽郡の胡蘭、朱蓋がまた反し、郡県を攻め落とす  
      零陵太守・陳球が、胡蘭らを防ぐ  
      中郎将・度尚が、長沙太守・抗徐が斬る  
    交州 蒼梧太守・張叙が、賊に捕らえれる  
    冀州 10月、渤海郡の妖賊・蓋登が「太上皇帝」を称す  
  166 涼州 7月、張奐が南匈奴、烏桓、鮮卑を討つ  
  167 涼州 1月、段熲と張奐が、羌を破る  
    揚州 5月、廬江郡で賊が侵入  
    益州 8月、巴郡で黄龍が現れる  
    雍州 10月、羌が三輔に侵入し、張奐が討つ              
霊帝 168 幽州 12月、鮮卑とワイハクが、幽州と并州を寇す  
  169 荊州 9月、江夏郡で蛮が叛くが、平定  
    揚州 9月、丹陽郡の山越が、丹陽太守・陳インを囲む  
  170 兗州 冬、済南郡で賊が立ち、東平陵を攻める  
  172 揚州 11月、会稽郡の許生が「越王」を称す  
      揚州刺史・臧旻、丹陽太守・陳インが破る  
  174 揚州 11月、許生を斬る (2年もかかった!)  
  176 益州 1月、益州郡の蛮が叛くが、太守の李顒が平定  
       
      黄巾の乱までもう少しなのだが・・・会社に行く時間なので、終了  
      あとは似たような傾向です  
      霊帝になり記事が激減するのは、平和になったからか、  
      『後漢書』の編集者が飽きたからなのか・・・  
        いつか書きたい『三国志』