■三国志旅行記>成都3日目 2006年2月22日
■想定外のメニュー 電車による遠出は断念して、市内の史跡散策を狙って1日がスタート。まず、朝飯を食べられそうなお店を探した。   メニューを見たら、他の店より、やや高めなんよ。高いって言っても、日本に比べれたら、アホみたいに安いんだけど。 ご飯ものが食べたいから「金沙玉米」を頼む。もちろん、どんな料理かは知らないけど笑、金色に輝く玉子にコーティングされた炒飯が出てきそうじゃん?それから、お魚を頼む。ご飯+魚って、ちょっと日本食を彷彿とさせてくれそうじゃん?   おおまちがいだった・・・   まず、トウモロコシのツブに砂糖をまぶした揚げ物が到着。大きなお皿に山盛り。うわ、食えん!と思わず日本語で言ってしまったんだが、これが金沙玉米らしい。 しばらくそれをスプンで食べてると、30センチ以上はある川魚が、赤黒く輝いた辛いおつゆに浸されて登場!店員がやたら丁寧なのは、こんなに(現地では)高いものを朝から頼んだからなのね。 おまけにご飯までサービスしてくれて、おおお。。(写真参照:左に写ってるのは、大きさを比較するためのぼくの指)   ■市内観光の手ほどき 中国の飲食店って、かならず隅っこのテーブル(客席)で、店主の家族や知り合いたちが、楽しそうに談笑してる。電気製品の小売店とかでも、ご飯どきにお店に入ってしまうと、いきなり一家団欒に出会ってしまったり。   この日の朝食を食べた店も例にもれず、家族がフロアで農作物を加工してる。ガイドブックを持って、「この史跡は地図上ではどこですか」と家族たちに聞いた。んで、あれこれ指南を受けた。中国語も、慣れてきたよ。 バス停のそばで、通りがかりのおばさんに「○○にはどうやって行くのですか」とも聞けたし。   ■幼稚園水準のレッテル 文具店を見つけたから、入ってみると、子供用の問題集が並んでた。中国語を学んでみようかと思って、購入を決意。 「国語」の小学6年級のものを開いたら、難しくて解らない。順番にめくっていって、自分のレベルに適合してたのは、小学1年級の下巻だった・・・ ペンも合わせて買うことにした。今後の筆談に必要だし。   店員が「xi元です」と言うんだけど、聞き取れない。適当にお札を出しても、お釣りも追加要求もない。ぼくは、レジの前で立ち尽くすしかない。ん?どうなってるの? やがて、店員も他の客も笑い出した。みんな呆れ顔。店員は「だから、xi元だって」と繰り返すんだけど、そんな数字をぼくは知らない。。左右の人差し指で十字架を作ってくれるんだが、即座に意味が解らない。   オチとしては10元ぴったりだった。問題集もペンも半端な値段だったのに、合計したら、偶然にキリがよくなったという奇跡!ぼくの習った普通話(共通語)では、十元は「shi元」なのさ。他のお店でもそうだった。あなたが訛ってるのよ笑!   ■もっとも難しい発音 日本人が中国語をやると、発音でつまずきやすい箇所は決まってる。その1つが、舌を立てる音。 しかし神の悪戯で、「私は日本人です」にあたる「我是日本人」の5文字のうち、「是」「日」「人」の3文字が舌を立てる発音。特に「日」は母音が曖昧な発音で難易度が高いんだけど、これをきっちり発音しないと、何者なのか解ってもらえない!   お店やホテルで戸惑ったとき、とりあえず「日本人なんよ」と言ってしまうのは得策なんだけど、それが意外に伝わりにくい。 しかし今回の旅行では、この発音だけは自信がついたね。ぼくが国籍を申告すれば、向こうは「おお日本人だったのか」と言うから、「そうそう、日本人ですねん」と反芻してれば、格好の発音練習になるし笑   ■マクドとの邂逅 海外旅行に行くと「食べれるものがないから、マクドばかり食べてた」とは、よく聞くお話。ぼくにもその機会がやってきた。 赤い看板に黄色いMの字の「麦当労」! 3文字目は「ツ」じゃなくて「サ(くさかんむり)」なんだけど、漢字が出ないから代用しちゃえ。これでマクドの音訳。   ダブルチーズバーガーが安かったから食べようとするんだけど、漢字が難しくて注文できない。「双展吉士漢堡包」ですと?ジャンクフードのくせに、すごく高邁な感じがする。 分解してみれば、「双展(ダブル/意訳)吉士(チーズ/音訳)漢堡包(ハンバーガー/音訳)」なんだろうけどね。カウンターの後ろのメニュー一覧を指差して「双・・・双・・・一番左のやつ」てな感じで伝えた。通じたから結果オーライ。 「お飲み物は」「お持ち帰りですか」とか定番の質問を予測して、そのあとの会話は聞き取れないなりに、「いいえ、いいえ」で聞き流しておいた。   店内が四川の辛味臭のままだから、味もよく解らなかったw   ■あの音楽CD CDショップで店員さんに「ぼくは日本からの旅行者で、中国の音楽事情に疎いです。あなたの好きなオススメを教えて下さい」と伝えた。最前列に並んでるCDを1つ2つポンと渡されたから、邪険に扱われたかなあ・・・と思った。 しばらくしてら、奥の棚からたくさんCDを持ってきて「これもオススメです」と言われた。きっちり選んでくれてたのね。嬉しかった。   いま中国で売り出し中のNEWアルバム、そのタイトルは「曹操」。青年が唄ってるポップスみたい。三国志旅行に行って、こんなアルバムに出会うなんて、とっても運命じゃん。「これ下さい」と即決! すると店主が、その歌手のブロマイドやらPV集やらを出してきて、「これもどうか」と。いや、いらんて・・・この歌手のことも何も知らないから。 いま聞いてるけど、けっこう好きな感じでした。興味ある方がいらっしゃれば、貸しますよ~   ■アイドルの楽曲チェック 「若い子は上手に歌えないと言ったのは誰だ」というキャッチコピーの、4人組アイドルのCDを買ってみた。SPEEDとかEARTHとかdreamとかのイメージで、作曲家陣をしっかり固めた楽曲を期待して。   「2006年超級美味女生、最愛跳舞的少女団体」つまり、歌って踊れるガールズユニット。ホテルで開封したら、体操服で飛び回ってる写真冊子が入ってた。間違えたか?と思ったけど笑、音楽は聴きたい種類のものだった。よかった・・・   日本でも同じなんだけど、サビに英語を使ったりして、曲に勢いをつけてる。ぼくは中国語が聞きたかったから買ったのに。   ■牛肉ラーメンでのりのり お腹が減ったからお店に入ったら、おじちゃんが積極的に話してくれた。日本の大阪から旅行で来たことをを聞き出されて、ふつうに盛り上がって。 笑い声って万国共通だから、とってもいいね。街を歩いてて、ひさびさに意味のわかる声がする!と思って振り返ると、それはただの笑い声だったこともあった。   どこでもそうだけど、「留学生か」って必ず聞かれる。それくらい日本からの旅行者がマレなのかなあ。 珍獣でも見るように、人が集まってくるよ。   ■不勉強の災難 ジャケットを買おうと思って「これいくら?」と聞いたら、「一百八(イーパイパー)元」とお姉さんに言われた。手元には120元ほど持ってたから、108元なら買えるやん!と嬉しくなった。 「試着するか?」と聞かれてたから、羽織ってみる。悪くない。いろいろ喋ってるうちに、やっぱりに会話がしんどくなって、日本人であることを明かしていく。   ついにお会計の段になって、110元を出してお釣りを期待してたら、「足りないよ?」と言われた。なぜに?という顔をしてると、紙に数字を書いて見せられた。「180-110=70でしょ。あと70元払って下さい」と。 あ!もっと中国語の授業をちゃんと受けておくんだったよ。「一百八=180」で「一百零八=108」じゃん。ぼくのアホ!   ■値切り交渉に挑戦 解りやすく狼狽の表情を作って、財布を開けて見せて「没有銭(メイヨウチエン/金がないのです)」と伝えてみる。お姉さんが渋ってるから、拝むように手を合わせてみた。   お姉さんに「やめてちょうだい。×××」と言われた。けっこう語気が強い!彼女は、拝んでるぼくの手を振り払った。 何を言われてるか解らないけど、これでジャケットが手渡されたら、値切り交渉は成功。もしお金を返されたら、失敗。言葉が解らないから、状況を必死に見守る。   ジャケットを袋に入れてもらったよ。うまくいった~!   ■高級ホテルに滑り込み 工事中につき、特価でお泊めします!という看板を見つけて、高級ホテルに入った。相場としては、1泊400元(7000円以上)しそうなホテルが、なんと118元で泊まれる。 街をくまなく歩いてみる甲斐があるってものです。   入室手続きをしたら、いきなり余計に100元を要求された。「100元」は聞き取れるんだけど、そんなに払う理由が解らない。渋ってたら「100元って聞き取れませんか?」と繰り返された。 「表に掲示してあった、安い値段で泊まれるんですよね?」と念を押すぼく。聞き取れないんじゃないのよ! 部屋で伝票を見たら、後から返してもらえることが解ったんだが。   ■中国なまりの英語 部屋のパンフで「一日遊」のツアーを見つけて、ホテルからそれを申し込むことにした。やはり市内から出てみたい。大自然に触れたい。 ツアーの申し込みは、さすがに手続きや確認事項が複雑で、会話がままならない。「英語は喋れますか?」と聞かれ、「ちょっとだけ」と言ったら、受話器を渡された。受話器の向こうから英語が聞こえてきて、これで手続きをさせようという算段らしい。高級ホテルは、英語も通じるというのは本当だった。   しかし、電話の音質が悪い上に、中国なまりの英語は、ほとんど聞き取れない。もともとぼくの英語は瀕死なのに、無理だって。   ■電脳ってすごい あきらめて、中国語で会話再開。 初めは筆談だったんだけど、効率が悪いことに気づいたらしい。 今度はパソコンのディスプレイを向けられた。そんで、お姉さんが漢字を打ち込んでいって、ぼくがそれを読みながら理解して、答えていくという方式をとった。「これでいい?」「はい」の繰り返し。 知らない言葉が出てきたら「これはどんな意味ですか?」と指をさして、その説明をさらに打ち込んでもらった。   旅行会社に、お姉さんが予約を入れてくれた。電話で「日本人が参加するけど大丈夫ですか?中国語は聞き取れませんが、漢字なら見て理解することが出来ます」と言ってた。 基本文法+基本の発音だけは出来るから、あとは漢字文化という共通点を生かして、辛うじてコミュニケイションは成立した!漢字が表意文字でよかったよ、ほんとに。   ■テレビと漫画 本屋でドラゴンボール(龍珠)を見つけて、「これの17巻はありませんか?」と尋ねたら、「明後日には届くんですが」と言われた。しょんぼり。   テレビを点けたら、「名偵探柯南」がやってた。見た目は子供、中身は大人!というやつです。けっこう流行ってるみたいで、本屋にも全巻ずらりと並んでた。 コナンのアニメは、数字による暗号がキーワードだったんだけど、「9199」というポケベルが「九十九(つくも)」という犯人の苗字だとか、「7109」が「うな重食いたい」だとか、日本語でしか解らない謎解きをしてるの。こんなの見て、中国の子供たちは楽しいのか??   「入関之役」という時代劇をやってて、項羽と劉邦の覇権レースなのよね。登場人物やストーリーはよく知ってるから、すごく楽しめた。一人で興奮してしまった。   ・・・南京大虐殺について聞かれたツアー、4日目に続きます。
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