いつか書きたい三国志

論文集の索引のつくりかた

論文集の索引をつくる機会がありました。今回考えたことをメモします。次回、同じことをするときに、「思考を解凍」すれば、同じことを悩まなくてすむでしょう。そのためのメモ。220108

索引をつくる対象を決める

人名索引か、単語や事柄の索引か。単語や事柄は、だれが使う索引で、どのような調査のときに使えるようにするのかをあらかじめ明確にする。
史料(書名)索引は、網羅性がいのち。段落ちして長文にわたり引用されているものだけを索引にしても使えない。かといって、本文に数文字ごとに引用されているものを項目として立てていると、無限に長くなる。
参考文献の論文などは、べつに参考文献表がついていれば、「参考文献」の索引を立てるメリットは少ない。

項目をひろう範囲を決める

本文のみから項目をひろうのか、注釈からもひろうのか。注釈からもひろったほうが、絶対に使い勝手がいいが、単純に分量が2倍弱になる。
引用史料のなかからひろうのか。引用史料のなかに現れるだけではひろわず、著者によって本文中で言い直されている場合のみ、その範囲で項目を立てるのが現実的か。著者が史料を「」でくくって本文で引用している場合、それは引用史料と見なすのか、本文と見なすのか(それをひろうのか)。

人名をひろう場合

呼称が複数ある人物がある。姓名、姓あざな。同定できるように。
皇帝になり、廟号・諡号がおくられると、表記がゆれる。即位前と同定できるように。君号の場合は、「武帝」など複数の時代にいる呼称もあるから、区別がつけられるように。
「曹操」「魏武帝」「武帝(曹魏)」のどちらで項目を立てるのか。ポリシーを固めておく。死後に諡がついた場合はどうするのか。曹操の場合は「曹操」とし、曹丕を「文帝(曹魏)」とするのは、探しにくい。毀誉褒貶をすることではなく、あくまで使い勝手のよい索引を作ることが目標。
人名ほぼ確実に諡でよばれ、姓名で呼ばれないひともいる。文脈によるが、周の文王を「姫昌」と書くことは少ないでしょう。必ずしも、姓名で統一するのが使いやすいとは限らない。
同じ国号で、複数の時代があるとき、ひろうときに明記しておかないと、分からなくなる。戦国時代・北魏が出てこないとき、「曹魏」と「曹」字を補う必要があるのか。「梁」はこれだけを書けば南朝ということになる?戦国魏と混同される?
漢帝国に「明帝」はひとりしかいないから、「明帝(漢)」で十分だが、使い勝手からすると、「明帝(後漢)」が望ましいか。

名前をひろうときは機械的にひろい、あとで「名寄せ」をせざるを得ない。「名寄せ」の手間・ミスを最小限にするためには、人名のひろいかたのルールをあらかじめ定め、ひろう段階で「名寄せ」をしてしまうのがよい。
「名寄せ」をした場合、登場ページ番号をあとで統合しなければならず、手間とミスの温床となる。

以降のエクセル作業は、気が向いたら追記します。