これは、ぼくが書いてるブログからの引用です。三国志とは関係なさそうな日記を書いてるんだけど、やたらと三国志な内容になってしまったので、こちらにも載せておきました。
タイトル:郭図さん(08年01月13日)
お正月にやたらと番組宣伝を見た「斉藤さん」というドラマを意識したタイトルです。郭図さんというのは、三国志のキャラなんですが。
郭図さんは、有望な勢力に初期から参加している参謀。能力もそれなりに高くて、主君もそれを買っている。しかし、彼は人格的に問題があった。
対立者を陥れるために、ウソに近いことを言う。
(讒言というやつ)
組織の発展ではなくて、自分の保身のために、人事を提案する。
(あいつを残しておけば、足を引っ張り合うから、オレの地位は安泰だ)
ゆえに現場レベルでは、ろくでもない指揮官が残り、のさばる。
郭図さん自身が舵取りを失敗したとき、巧妙に他人のせいにして陥れる。
こういう郭図さんがいるおかげで、
有力な人材が、君主の気づかないところで流出する。
現場では、本来の仕事ではなくて、上司と付き合うコストばかり増大する。
※とても重要
組織全体が斜陽になったとき、解決策を打つ人材がいない。
元凶は郭図さんなのに、郭図さんの権限内で部下を潰し合わせて終わり。
(郭図さんは逃げ延び、高い報酬をもらい続ける。君主は打ち手が後手に)
組織内の人材が、忠誠心を失っていく。
組織を見限った人材が、外部に引き抜かれ、敵キャラとして登場する。
このまま数年が経過すれば、この組織はつぶれるのが道理だね。
そもそも郭図さんのチェスに耐えられるほど強い組織は、乱世には、めったにない。
兵士は、ネズミより馬鹿ではないので、健全に働ける組織を探し始める。
いやあ、三国志では、郭図さんがいた袁紹勢力は潰れてしまうんだけどね。
郭図さんみたいな癌がいても、組織が勝ち続けているときは、それほど問題にならない。でも、危機に弱いんですよ。
袁紹勢力は、官渡の敗戦というショックをきっかけに、急速に崩壊していく。君主は連敗で憔悴し、後継者は北方に逃げ続けて、無惨な裏切りを受けて首と胴が離れる。
暗喩でごまかしてますが、もしぼくも袁紹軍に属しているとしたら、どうでしょうね笑
ぼくが働く理由は「三国志を安定して安心して楽しむための、お金を得る」「三国志を楽しめるように、経験を積む」だから、全く構わないんだけどね。先例を知っているだけに、どのように散り散りになるのか、けっこう楽しく拝見させてもらいます。
1つ目の理由を果たすために、ちゃんと仕事には一生懸命打ち込み続けるよ。袁紹勢力が崩壊した後、ぼくにとっての曹操に採用してもらえなかったら、一大事だからね。
自分の身辺話を書いていて、こんなことになっちゃったんですが。けっこういい発見もありました。
なぜ官渡ノ戦のあと、袁紹軍は急に衰退して行くのか。そのなぞが解けた気がするのです。
袁紹が曹操に駆逐される過程に、納得がいかなかった。
兵力としては曹操よりまだまだ大きいし、顔良・文醜・張郃らがいなくなったとは言え、まだまだ武将はいる。沮授や田豊がいなくなったとは言え、まだまだ軍師はいる。
もともと黄河を渡って攻めに行った戦いなんだから、冀州を1区画でも失ったわけじゃない。
袁紹個人の健康問題にしてしまえば簡単だが(北方『三国志』のように)、果たしてそれでいいのか。
どうやら、郭図に代表されるような、内側を掻き乱すような連中は、ずっと袁紹軍の足を引っ張っていた。しかし、官渡敗戦という外乱が加わるまでは、それが露呈していなかっただけなんだ。
すでに崩壊の原因が内蔵されていたとしたら、あの200年以後の弱さは、非常にすんなりと納得がいくわけです。
以上、春から自分の職場に「沮授さん」がいなくなってしまうことを知った週末に、こんなことを書いてみました。いなくなる人の苗字の響きまで、ちょっとだけ「沮授さん」と似ているのが面白い。早く言ったら、違いが分からないのでは?というレベルで。
2003年に北方の「公孫瓉」を併呑したときは良かったんだけどねえ。2007年は、「官渡」で負けたよ。2008年に「倉亭」で負けることまで、予算で分かっている。こういうとき「袁紹」ががどう振る舞うか、観察させてもらいます。三国志を味わうための材料とします。
自分の隊の指揮官が、妙に無能だよなあ、効率悪いよなあ、ということはずっと思っていたんだが、影に「郭図さん」の保身工作があったとはね。ああ、理解理解(笑)人間は変わらないねえ。