■三国志雑感>陳寿の人物選択眼を見守る(2)
魏のわけのわからん文官群を見せ付けられた後に、呉書の話を始めたら飽きてしまいそうなので(ぼくが)蜀書を先に扱おうと思います。   ■蜀書について 【01】劉焉・劉璋:劉備から始まらないところが憎いね! 【02】先主伝:言わずもがな。 【03】後主伝:こうでなくちゃね。 【04】二主妃子伝:皇后と劉禅の弟たち。 ファンも納得のラインナップですね。   【05】諸葛亮伝 【06】関羽・張飛・馬超・黄忠・趙雲:俗に言う五虎将軍 【07】龐統・法正:いいねえ! 拍手大喝采だね。   【08】許靖・麋竺・孫乾・簡雍・伊籍・秦宓:内外から支えた文官 【09】董和・劉巴・馬良・陳震・董允・呂乂:文官の皆さん。 【10】劉封・彭ショウ・廖立・李厳・劉琰・魏延・楊儀:裏切りもの! 【11】霍峻・王連・向朗・張裔・楊洪・費詩:有能な文官さん 【12】杜微・周羣・杜瓊・許慈・孟光・来敏・尹黙・李譔・譙周・郤正:文官だよね。 文官って、どうもノーマークになりがちだね。   【13】黄権・李恢・呂凱・馬忠・王平・張嶷:五虎将軍に続け! 【14】蒋琬・費禕・姜維:諸葛亮の後継者たち 【15】鄧芝・張翼・宗預・楊戯 『三国演義』で斜陽の蜀を盛り上げるために、重責を追わされた人たち。
  ■呉書について 【01】孫堅・孫策:この2人はセットで片付けていいのか? 【02】孫権:はいはい。 【03】孫亮・孫休・孫皓:まとめられぶりが切ない。 当たり前だけど、君主がトップに来てます。   【04】劉繇・太史慈・士燮:孫呉のライバルたち。独立勢力とか。 【05】孫氏の妃たち 【06】孫静・孫賁ら:孫氏たち なぜ劉繇たちが入ってきたか不明。劉備の前に劉璋がいるのと同じ感じかな。魏書では董卓などのライバルは妃たちの伝記の後だったんだけど。   【07】張昭・顧雍・諸葛瑾・歩騭:孫呉のトップ文官たち 【08】張紘・厳畯・程秉・闞沢・薛綜:1ランク落ちの文官 孫呉を中核から支えた文官たちがまず載ってます。   【09】周瑜・魯粛・呂蒙:やっと彼らです。 【10】程普・黄蓋・韓当・蒋欽・周泰・陳武・董襲・甘寧・凌統・徐盛・潘璋・丁奉:武官の皆さん。 【11】朱治・朱然・呂範・朱桓:孫氏と長いお付き合い 【12】虞翻・陸績・張温・駱統・陸瑁・呉粲・朱拠:生きるのが不器用な人たち。 【13】陸遜:諸葛亮を除いて、臣下で1人1伝はこの人のみ! ずらずらっと名前を並べられると知らなくはないんだけど、1人ずつの伝は短いし、あんまりキャラが立ってないんだよね。   【14】孫権の5人の息子:後継者争いで不遇なのはやむなし。 【15】賀斉・全琮・呂岱・周魴・鍾離牧:内患に対処した人たち。 【16】潘濬・陸凱:孫呉後半に突入する功臣 【17】是儀・胡綜:孫権の国家経営の垂木らしい。 【18】呉範・劉惇・趙達:特殊技術の変わり者らしい。 文官は、やっぱりノーマークになってる。   【19】諸葛恪・滕胤・孫峻・孫綝・濮陽興:最高峰まで行って失脚した人 【20】王蕃・楼玄・賀邵・韋曜・華覈:学者・文化人みたい。 陳寿の最後は、謀反人と文官人を並べて終わるというパタンが、やっと見えてきました。
  いやあ、覚悟をしていたものの、本当に陳寿が選んだ人物たちを、ぼくは知らないね。 特に文官。『三国演義』じゃあ絵にならないから、頻繁に省かれる。 陳寿は立場上、文官を尊重する。だって自分も文官なんだもんね。「文官を馬鹿にしたら、あかんで」「文官は弱そうやけど、凄いねんで?」と書きたくて仕方がないのが分かる。だから、実はそれほど凄くないかも知れない文官さんも、やる気満々にリストアップされて伝が立てられる。こんな事情も手伝って、日本人の三国志ファンと陳寿『三国志』のストレスの置き方の乖離が、ますます酷くなっている。   全くの私事だけど、先月から会社で内勤の部署に移った。そんなに人数がいるわけじゃないのに、すごく人間関係や思惑や上下関係や得手不得手が入り組んでるんだよね。 正史を読んでると、文官のキャラなんて故事の引用だらけの上表文で埋没してしまってるけど、彼らも限られた宮廷という空間の中で複雑な駆け引きを繰り広げていたんだろうなあ。それに興味を持てば、陳寿がたくさん書き残してくれた文官の伝記も楽しく読めるかも? なんて思う日曜の午後でした笑   今回出てきてしまった青字の知らない人たちは、ぼちぼちつぶして行こうと思います。あまりに多すぎて、知らない人が出てきたらいちいち確認していくという計画は頓挫しました。。
トップ>三国志雑感>陳寿の人物選択眼を見守る(2)