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- 漢魏革命戦(主人公:曹丕)
ぼくが三国志を好きになったキッカケは、『真・三国無双3 エンパイアーズ』でした。2004年のことでした。
こんなステージがあったら遊びたいなーというステージを考えてみました。MAPの用意は大変なので、作ってません。シナリオだけです。システムは、『真・三国無双』のどのバージョンというわけでもなく、適当にイメージで書いてます。
プレイ日記風に読んでください。
ステージ開始前のナレーション
建安25年正月、魏王の曹操は洛陽で崩じた。
後継者争いを勝ち抜き、あとを嗣いだのは、長子の曹丕である。
魏王となった曹丕は、同年6月、本拠地である冀州の鄴城を出発した。
「南征して孫権を撃つ」。大号令のもと、10万の兵が進軍を開始した。
曹丕(セリフ)「父は孫権を甘やかしすぎた。魏王となった、この曹子桓が、南方の無礼者をひざまづかせてやろう」
ステージ開始前のムービー
騎乗した曹丕が、司馬懿とくつわを並べている。
司馬懿「魏王への就任、おめでとうございます」
曹丕「お前のおかげだ」
司馬懿「とんでもございません。曹丕さまの日頃の徳行がみちびいた、当然の結果でございます」
曹丕「いらぬ世辞を、、」
司馬懿「こたびの南征も、、ん??」 顔面に光があたり、目を細める。
曹丕「どうした、司馬懿」
画面が切り替わる。太陽光が画面を金色におおってから、黄色い竜が姿を現す。身体をくねらせながら、天空へと昇り去る。
司馬懿「いま、黄龍が見えました」 空をみあげて呆然とする。
曹丕「馬鹿な」 司馬懿の視線の先を追うが、何も見えない。
司馬懿「い、いえ。いま確かに。これは何かのきざし、、」
曹丕「迷い言を申すな。遅れたら許さぬ。はあっ」
曹丕がたずなをひく。馬が疾走する。司馬懿はうろたえてから、曹丕の馬を追いかける。2人の姿が小さくなる。
戦闘準備の画面
プレイキャラクター:曹丕
勝利条件:孫権の撃破(孫権はマップ右下隅、川が隔てる)
敗北条件:曹丕の敗北もしくは鄴城の陥落
(鄴城はマップの右上隅、曹丕の初期配置)
戦闘開始、甄姫が本陣を防衛
準備を終えた曹丕が、城門前にいる司馬懿に話しかける。
司馬懿「孫呉は、劉備に備えるため、荊州方面におおくの兵を割いております。迅速に長江を渡ることができれば、孫権を捕らえられましょう」
曹丕「開門せよ。孫権をひきずりだしてやるのだ」
鄴城の城門がひらく。曹丕が南に向けて走ると、司馬懿も同じ方向に走る。周囲の兵を掃討しながら進む。会話イベントが発生。
曹丕「甄よ、鄴城の守りは任せたぞ」
甄姫「お任せください、わがきみ。内を守るのは、妻のつとめ。どんなことがあっても、城を離れません」
曹丕「よろしい。勝って、必ず帰ってくる」
霍性と鮑勛が、出兵を諌止する
城を出てから、しばらく戦う。敵兵を50人ほど倒す。曹丕のそばに、霍性という文官がいる。霍性のセリフが流れる。
霍性「魏王さま、申し上げたいことがあります」
曹丕「戦さの途中だ。あとにならないか」
霍性「私はこの戦さに反対です。孫権を攻めず、内政を優先すべきです」
曹丕のそばに、鮑勛という文官もいる。鮑勛のセリフが流れる。
鮑勛「孫権は地形をたのみに、防衛に長けています。軽々しく軍を動かして、国力を消耗してはいけません」
曹丕「・・・」 サクサクと敵兵を斬りつづける。
鮑勛が出兵を諫めるのは、もっと後年の南征だけど。物語は因数分解をする。霍性・鮑勛「今からでも遅くありません。鄴城に撤退を!」
曹丕「2人を死罪とせよ」
ナレーション「霍性・鮑勛、魏軍を離反」
ミッション「霍性・鮑勛を撃破せよ」
敵将となった霍性と鮑勛が、曹丕に斬りかかってくる。霍性はあまり強くないが、鮑勛は強い。2人で連携して必殺技を出すなど、ちょっと面倒くさい。
曹丕の手により、霍性と鮑勛をたおす。
ナレーション「霍性を撃破」 「鮑勛を撃破」
霍性「殷の紂王よりも、人の話を聞けぬ君主だな」
鮑勛「先代は英雄であったのに・・・」 捨て台詞して去るムービー。
孫呉から于禁が帰ってくる
前線で門兵や拠点兵長を倒しながら、マップを南に進んでゆく。ランダムに設置された呉将も斬ってゆく。撃破数120人。
ある砦の門兵を倒して開門すると、ムービーに切り替わる。
青い鎧の人物が、後ろを向いている。
かけつける曹丕と司馬懿。
曹丕「・・・そこにいるのは、わが軍の者か。誰だ」
青い鎧の人物が振り返る。
??「お忘れですか、太子」
曹丕「于禁か」
于禁「恥を忍んで、帰って参りました」 泣き崩れる。
曹丕「済んだことは、もう良い。下がって鄴城に入り、本陣を守れ」
ナレーション「于禁が呉より帰還! 鄴城に向けて移動開始」
異民族たちと孟達の帰順
画面上部に、異民族の味方武将が出現。
濊貊単于「魏王の徳を慕って、駆けつけました」
扶余単于「魏王の徳を慕って、駆けつけました」
焉耆王「魏王の徳を慕って、駆けつけました」
于テン王「魏王の徳を慕って、駆けつけました」
氐の楊僕「魏王の徳を慕って、駆けつけました」
曹丕「歓迎する」
マップの右下に、味方武将が出現。
孟達「劉備に殺されるなんて御免だ。俺たちは魏王に降ることにする」
曹丕「歓迎する。一気に孫呉を押しつぶすぞ」
孫権への道が閉ざされる
呉将を斬りまくって進むが、川に隔てられて進めない。曹仁のセリフ。
曹仁「水軍の準備を急げ」
曹丕「川の向こうに、孫権の旗が見えているのに」
曹仁「子桓どの、それほど急くな。このあたりは、我らの故郷ではないか。酒宴を張るのも悪くない」
曹丕「そうですね」 体力が少し回復するとか。
ミッション「使者を護衛して、水軍を召集せよ」
マップの遠方に使者が出現して、脱出地点に向けて走ろうとする。途中には呉将たちがいるため、プレイヤーが守ってやる必要がある。ミッションの成否により、つぎに流れるセリフが変わる。
失敗の場合:曹丕「ぬ、、水軍が整わぬか」
成功の場合:使者「伝令、日照のせいで川が浅く、船が進めません」
失敗しても成功しても、いまいちのメッセージが流れる。だから、別のセーブデータで、逆の結果を試してみる。これを「やりこみ要素」と言います。
曹丕の呉攻めが失敗するのは、この年ではなくて、もっと後のこと。でも、エピソードを寄せ集めるのが、物語だと思うので。
献帝の出現
孫権への道が閉ざされて、仕方なく周囲の呉将を手当たり次第に斬っていると、ムービーに切り替わる。
おごそかな音楽が流れ、冠から垂れ下がった飾りのなかから、気の弱そうな人が顔をあげる。カメラが引いていくが、周囲に人は少ない。
ナレーション「漢の天子・献帝、出現!」
これまで戦闘に使わなかったマップの左半分に、第三勢力の色(黄色とか)で、たくさんの武将が現れる。
司馬懿「孫権を撃ちそこねましたが、漢の天子に、魏軍の偉容を見せつけてやりましょう」
ミッション「許都の城外に、魏将を10名以上あつめよ」
魏将は、各地で呉将と交戦しているため、動けない。プレイヤー(曹丕)が呉将を順番に片づける。交戦する相手がいなくなった魏将は、許都の城外に集まる。
孫権とは、川に隔てられたまま、接触できない。
郡臣による帝位への勧進
ナレーション「許都城外に、李伏が出現!」
ミッション「李伏と接触せよ」
プレーヤー(曹丕)は、呉将の掃討をきりあげて、李伏のもとにゆく。李伏は、第三勢力(黄色)の名前表示とヒットポイントのバーを持っている。李伏は動かないので、かんたんに接触できる。
第三勢力が出てくるのは、真・三国無双よりも、戦国無双っぽいけど。接触すると、李伏のセリフが流れる。
李伏「孔子の玉版に、天下を平定するのは、魏の子桓とあります。あなたが、皇帝になりなさい」
曹丕「私とは関係のないことだ」
ミッション「李伏を撃破して、勧進を断れ」
ナレーション「勝利変更!漢の臣下として忠義をつらぬけ」
勝利条件は、献帝との合意形成(今回変更)
敗北条件は、曹丕の敗北もしくは鄴城の陥落(変更なし)
勝利条件がトリッキーに変化して、プレイヤーを混乱させるのも、戦国無双っぽい。戦闘画面のメッセージ(ナレーション)だけじゃ意味がわからず、ポーズさせて、勝敗条件を確認する必要があったりする。李伏は、黄巾と同じような妖術をつかって、曹丕を苦しめる。斬ってもニセモノだったり、風を起こしたり。
孔子の玉版は、張魯のもとに由来するから。李伏を切り伏せる。
曹丕の周囲には、自分で寄せ集めてきた魏将がたくさんいる。彼らは味方(青色の名前表示とヒットポイントのバー)だが、突然、第三勢力(黄色)に変わる。第三勢力に変わるのは、劉廙、辛毗、桓階、陳矯、陳羣など。
陳羣「我らの思いも同じです。皇帝になってください」
ミッション「陳羣らを撃破して、漢への忠誠を示せ」
周囲が敵だらけになる。500人くらい斬っても、次から次へと第三勢力が沸いてくる。プレイヤー(曹丕)は、ヒットポイントの回復アイテムを探して、あちこち走りまわらなければ、敗北しそうになる。
史官の許芝による、天命の議論
前ぶれなく、ナレーションが流れる。
ナレーション「天文と歴史をつかさどる、許芝が出現!」
許芝「漢に代わるのは当塗高、すなわち魏。天命のありかを、漢の天子にお伝えせねば」
マップの遠方に、許芝が登場。左慈みたいな呪符を使う、やっかいな仕様。
許芝は太史丞で、図讖などに詳しい。漢魏革命は、李伏がもちだした孔子の玉版と、許芝による難解で衒学的な理論武装により、演出された。ミッション「許芝と献帝の接触を阻止せよ」
地形に阻まれて、ものすごく遠回りしなければ行けない場所で、許芝が走りだす。許芝は、許都の裏側から侵入して、献帝に接触しようとする。
成功(許芝に追いついて撃破)の場合:
曹丕「私の徳が至らぬために、天下には飢えて凍える者がいる。私には、皇帝になる資格などない」
何ごとも起こらず、残りの郡臣を片づければ良い。
失敗(許芝を逃がしてしまう)の場合:
ナレーション「許芝が献帝と接触!」
献帝「どの予言書も、漢が終わりだと説いておるな」
許芝「その通りです。漢の滅亡は、必然です」
献帝「・・・」
許芝「郡臣に皆さん。革命を推し進めましょう」
ナレーション「郡臣たちが、ふたたび曹丕への勧進を開始!」
倒したはずの第三勢力の武将が、全員復活して、曹丕(プレイヤー)のもとに集まってくる。曹丕は、わずかな味方とともに、斬り進むしかない。司馬懿が味方をしてくれるので、連携して必殺技を出せるのが、せめてもの救い。
司馬懿の「謀反」
郡臣をあと1人倒せば良いとき、ムービーに切り替わる。
曹丕が、文官を叩き伏せる。刀をよけて、後ろに飛ぶ。曹丕と司馬懿と背中合わせになる。
曹丕「くどい奴らだ。私に天命などない」
司馬懿「そうですか。本当にそうお考えですか」
曹丕「お前まで、何を言い出すのだ」 肩越しに、司馬懿をにらむ。
司馬懿は背中を離して、身をひるがえす。曹丕に正対して、ひざまづく。手をこまねいて、頭をさげる。
司馬懿「皇帝におなりください、曹丕殿、いや陛下」
曹丕の目元のアップ、驚愕と苦悶の表情。
曹丕「ま、まさか。お前までもが裏切るのか・・・」
戦闘画面に戻る。
ナレーション「司馬懿も、勧進を開始!」
司馬懿も第三勢力となり、曹丕に斬りかかってくる。
残っていた僅かな魏将も、まだ生き残っていた者は、青色から黄色(味方から第三勢力)に切り替わる。鄭渾、羊秘、武周らが迫ってくる。退けたはずの鮑勛が、強化されて再登場する。
ちなみに、いま、ちくま訳では156頁。鮑勛「許芝の学説は、正しいのです。天命は魏にあります」
曹仁や、途中から加わった孟達までもが、第三勢力となって、曹丕に群がってくる。異民族までも、徐々に近寄ってくる。ただちに交戦するわけではないが。
関羽が麦城で奮闘するステージみたいになってきた。
禅譲の詔書と、伝国璽
曹丕は、1人で戦っている。郡臣と戦いながら(全員を倒すには至らないが)時間が経過すると、セリフが入る。
献帝「朕がみずから、魏王を説得しよう」
ナレーション「献帝の使者・張音が出現」
張音「魏王さまに、天子の伝国璽をお渡しせねば」
張音が移動を開始。
ミッション「一定時間、張音に発見されるな」
曹丕は、逃げ回る。マップの都合で、森とか石兵八陣みたいな場所に追い込まれて、追いかけっこする。
ナレーション「桓階、劉廙、衛臻が出現」
桓階「魏王は、天子の詔勅を受けるべきです」
ミッション「桓階、劉廙、衛臻に発見されるな」
迷路のなかで、献帝の使者が増えてゆき、ムリなゲームになり始める。「許都の周辺に濃霧が発生」という、よく分からない展開に陥って、逃げ延びるのが難しい。
一定時間が経過すると、曹丕のセリフで、ミッション終了。
曹丕「いまは狩猟の最中だ。陣に帰ったら、正式に返答しよう」
ナレーション「曹丕は伝国璽を一時的に保管」
曹丕は、迷路を脱出して、指定の場所まで移動。はじめに呉軍と戦ったときに攻め陥とした大きな拠点を、行在所として使っているという設定。
曹丕「お前に伝国璽を託す。必ず漢の天子に返却してこい」
ナレーション「毛宗が出現!」
ミッション「毛宗を許都まで護衛せよ」
毛宗は、なぜだか分からないが、敵将が中央を走り抜けようとする。毛宗が敗走すると、ステージのクリア失敗になるので、護衛をがんばらねばならない。
面倒な道中で、1000人斬りを達成。
曹丕「私こそが、真の三国無双だ」と。
曹丕の弟たちの反乱
毛宗を指定の場所に送り届けると、許都の反対側(現在地からは、すぐには行けない場所)に、張音が出現する。
献帝「朕は天子の責務を果たせない。重圧から解放してほしい」
ナレーション「張音、ふたたび伝国璽を持って移動開始」
張音が、またまた敵中を突破しながら移動を開始すると、新登場のキャラのセリフが差し込まれる。
??「伝国璽はどこだ」
曹丕「なにやつだ」
曹彰「伝国璽をオレによこせ」
曹丕「ふん、黄鬚か」
曹彰が印璽の場所を聞いたのは、曹操の死後。魏王の印璽のありかをたずねて、賈逵に叱られた。伝国璽も欲しがりにきたという設定。ナレーション「曹彰が兵を連れて出現!張音を追撃開始!」
曹丕「伝国璽を奪われてはならない」
ミッション「曹彰を撃破し、伝国璽を守れ」
曹丕(プレーヤー)が、張音の救出に向かおうとすると、間髪入れずに、ナレーションは入る。
「烏桓の大軍が、鄴城を急襲。本陣を救援せよ」
という、無双によくある、2方向のミッション。
しかも、闖入者がもう1人。
??「翩たること驚鴻の若く・・・」
甄姫「何者ですか」
??「義姉上、義姉上、お慕い申しております。一緒に逃げて下さい」
甄姫「あなたは、子建さま(喜色)」
曹植「兄が留守にする機会を待っておりました」
ナレーション「曹植が出現。甄姫とともに戦場を離脱!」
鄴城の守備は、甄姫が抜けてしまったので、すぐ死ぬような拠点兵長しか残っていない。すぐに駆けつけないと、烏桓によって本陣を陥とされて、負けてしまう。
あとは、鄴城に残っている武将は、于禁なんだが、、
ナレーション「于禁、壁画を見て憤死!」
張音 苦戦! 至急救援せよ! 本陣 苦戦! 至急救援せよ!
??「伝国璽は、朕の者だ」
??「いいや、私が譲り受けたものだ」
ナレーション「袁術と袁紹の亡霊が出現。張音に向けて、移動開始!」
二袁は遠方に登場して、威圧するだけで、すぐに張音に近づくわけではない。ネタで登場しているので、マジで戦局を左右したら困るのだ。
父との対決/漢魏革命の達成
ナレーション「賈詡が出現!」
賈詡「魏王の頑固さも厄介だが、ここで伝国璽が奪われるのは、もっと厄介だ」
ナレーション「賈詡が、王朗・華歆とともに、張音の護衛を開始」
賈詡「魏王。このままでは、漢も魏も、共倒れだ。天子に直接会いに行って、話をつけてくれないか」
ミッション「献帝と接触せよ」
ナレーション「許都の宮門が全て開放!」
とりあえず、宮門に速やかに向かうしか、現実的にはクリアの道筋がない。曹彰をたおし、烏桓をたおし、というのがマップ上は不可能ではないかも知れないが、通常のプレイでは間に合わないという設定。というか、曹彰と烏桓を両方とも退けたら、最強武器が手に入るのだ。無双にありがちな話。
許都に行くと、今までは閉ざされていた門が開かれ、通行が可能になっている。許都のまんなかの道路を駆けて、門をいくつもくぐると、ムービーが始まる。
曹丕が走ってきた前、曹操がいる。
曹丕「父よ、私が葬ってやったはずだが」
曹操「子桓。わしが守ってきた漢の天子を、脅かすのか」
曹丕「その天子がみずから、私に助けを求めてきたのだ。帝位という重責を、代わりに預かってくれないかと」
曹操「覚悟のほど、わしが確かめてやろうか!」
呂布みたいに強くなった曹操と、宮殿の門前で一騎打ちをする。どれだけ時間がかかっても、曹彰とか烏桓の戦局が決闘をジャマすることはない・・・んだろう。
曹操を倒したら、禅譲のムービー。めでたくクリア。
自分で遊んでみたい感じで、シナリオを想像してみました。140219閉じる