雑感 > 小説のあらすじ案『シン・ソンゴ』

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あらすじ案

『シン・ゴジラ』見ました。圧倒的な「他者」が襲来して、既存の体制が揺さぶられながら、徐々に覚悟が決まってゆき、前哨戦で苦しみながら、最後には全く新しい方法で勝利する。これって、赤壁の戦いじゃないかと(笑)
『シン・ソンゴ』みたいな、パロディを書きたくなりました。

というわけで、あらすじを考えてみました。

曹操軍という脅威を認識する

①建安十三年、荊州に曹操軍が侵入。
孫呉の政庁では、荊州との国境が慌ただしくなったが、状況がつかめない。「どうせ、なにも起きてないさ」と。ひそかに劉琦が国境から消えたようだけど、「どうせ、劉琮とのあいだで、内紛でもしてるのさ」と。
そこに、荊州から、劉表が死んだとの使者。郡臣「えっ……」
徐々に状況が分かってきて、曹操が来たのだと知る。「曹操は、劉表軍とだけ戦って、中原に帰るだろう」と、郡臣が楽観ムード。平時の対応で、危機感ゼロ。しかし、周瑜・魯粛だけが「劉表が降伏する可能性を考えるべき」と主張。郡臣は失笑。張昭が、ふたりに「でしゃばるな」と言ったり。
そこに、曹操軍からの漂流物。郡臣「えっ……? 本物?まさかあ!」
郡臣は動揺。魯粛「揚州に攻めてくる可能性を考えるべき」。郡臣は、なおも失笑。あくまで、状況を軽く見積もろうとする。たがいにモメてるだけ。

②孫権(大杉漣)は、呉の郡臣の「安心させてくれ!」という圧力により、「曹操は荊州だけを得て、中原に帰るそうだ」と公式に発表。「曹操軍の補給能力では、揚州に来ることはできない」と、かってに大見得をきる。しかし魯粛は、危機を感じて、荊州に急行。
郡臣「曹操は、揚州に来るのだろうか」
専門家「確かなことは分からんよ、見てないんだもん」
郡臣「話の分かるヤツを」
凌統あたり(市川実日子)「曹操が、劉表の水軍を吸収したなら、揚州を攻めてくることは、充分にあり得るでしょう」
郡臣「まさかねー!あっはっは!自重でつぶれるよ」

魯粛から、急報の使者がきて、「荊州は、曹操に降伏。曹操軍が、揚州に来るかも」と判明。なんと曹操軍は、無傷の江陵を得て「想定外に、進化」していた。
孫権は「曹操は来ないって言っちゃったぞ」とメンツがつぶれる。すると、曹操軍から使者がくる。強硬に出るか、鄭重に接するか、政庁がモメる。孫権は、領土のことを思って、ギリギリのところで、守旧派の慎重論に配慮して、使者を鄭重にもてなす。孫権は、覚悟が決まらない。
すると、曹操の使者が、突然 顔色を変えて、そそくさと帰ってゆく。とりあえず無難に使者が帰ってくれたので、ホッとする。

使者が帰っていった理由は、物語の核心にせまるネタになるはず。未定。


曹操軍への対処法を考える

諸葛亮(石原さとみ)が現れ、孫権を徴発して共闘を申し出る。しかし呉のための共闘でなく、劉備の勢力伸長・情報収集のために、共闘を提案しているだけの様子。呉では、諸葛亮を警戒する。
孫権が、逡巡しまくったすえ、開戦を決断。
周瑜(長谷川博己)が、特殊な人材を集めて、作戦をねる。周瑜は、呉軍のみんなを集めて、演説をぶつ。ついに曹操軍が東下してきて、防衛戦をやるが、つぎつぎ突破される。
劉璋とか馬超とか、曹操の背後にも外交の手を伸ばして、曹操の進攻を遅らせる。もしくは、味方を得る。天下の情勢は、曹操(ゴジラ)・孫権(日本)・劉備(アメリカ)の三者だけじゃなく、それ以外の利害や思惑も絡んでおり、やりようによっては効果的な作戦ができそう。劉璋は、一見すると弱腰だけど、法正とか張松も、動いていそうだし、長江の上流を占めている。馬騰・馬超は、張既がちょうど説得しており、まだ曹操に従っていない。

④周瑜は、曹操軍の予想外の反撃を受けて絶望的。緒戦で、ちいさな勝ちを得たけれども、曹操軍を追い返すには至らない。曹操軍の強さを、過剰な演出によって見せつけられる。「そんな攻撃もできるのか、曹操軍は!」
曹操軍が、停止。
劉備から、卑劣な作戦が提案される。揚州において、堅壁清野をして、曹操の戦果をゼロにせよと。城外は徹底して焦土化する(清野)ことで、進攻してきた敵軍は何も接収できないようにして疲弊させ、持久戦を有利に運ぶという、核爆弾で国土を焼くような作戦。「揚州を犠牲にしてでも、曹操の天下統一を防ぎ、徹底抗戦をしよう」と。たしかに、曹操を倒すには、それが有効……。劉備は、自前の領土ではないからって、ムチャなことを言うなあ……。

諸葛亮は、劉備からの「特使」であるには違いないが、堅壁清野には反対である。もしも劉備の作戦を採用したら、祖母?の故郷の徐州を、曹操に滅ぼされた悲劇と同じじゃないかと。
これに前後して、諸葛亮は、士大夫の人脈をたどって、ある人物と連絡を取るように提案。龐統=潁川の人脈にからむか。諸葛亮が龐統を通じてアクセスしようとした人物こそ、曹操を南方に差し向けた張本人であり、曹操を中原に追い返すためのヒントをもつ(ネタ未定)。

キーマンである牧五郎博士(船のひと、石原さとみの尋ね人)は、荀彧に比定できそう。曹操軍を形成した張本人であり、その強みと弱みを知り尽くす。曹操に味方していそうで、曹操軍の弱点のヒントを第三者にほのめかしたりして。荀彧のほどこした、何らかの仕掛け・暗号が、曹操が赤壁から撤退する真の理由になる。

黄蓋による火計は、曹操軍のエネルギーを削るためのおとり。無人の電車フネに、大量の燃料をつんで、体当たりさせる。
決定打は、荀彧から間接的に教えられた、曹操軍の特性(弱点)を攻撃すること。おそらく、漢王朝との関係がらみ。荀彧は、曹操の易姓革命を防ぐために、ある仕掛けを施していた……とか。
諸葛亮・魯粛・周瑜は、それを活用する。この作戦を、時間内に成功させるために、各方面からの協力を得て、ひっしに努力する。

曹操軍を撃退して、次の段階へ

⑤火計後、長江を挟んで、曹操と孫権は共存することに。
孫権を揚州に残したことは、荀彧が間接的?に、諸葛亮たちに与えたヒントによるもの。どこまで荀彧が「曹操が敗退したことの黒幕」なのかは、謎のままなんだけど、とりあえず曹操軍の進攻は「凍結」されたと。
この戦いを経験することで、孫権の君主権力は、別の段階に進んでいく。復興しつつ、国としての自尊心を獲得していかないと。よくがんばった、呉の人材たちよ!という感じの終わり方。

「漢王朝の再建者」という立場と、「天下統一」という目標は、曹操にとって、強みにして弱み。これは、ゴジラのもっている特性(強みにして弱み)が、最後の作戦の成功要因になったこと。
曹操軍の強み=弱みを、短時間で必死に分析して、対抗策をうつところが、最大の見せ場になるわけです。そうでないと、劉備が「揚州の国土を破壊しよう」とか言い出すから。いろいろな価値観のぶつかりを、描くことができそう。
骨格はできたので、あとは細部を考えるだけです。160818

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