雑感 > 武漢旅行記19年12月(1)

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1.はじめに/旅行者の懐事情

武漢という街に行きました

武漢に旅行に行ってきました!
日本語のウィキペディア「武漢市」より、武漢の位置。 湖北省の省都だそうです。
同ページに、「長江とその支流である漢江の合流点にある武昌、漢陽、漢口の三鎮からなる」とあります。三国志ファンは「武漢」という地名を知らないと思います。なぜなら、武漢というのは合成地名だからです。

旅行前は、「武漢?聞いたことない」と思っていました。皆さんも、馴染みがないのではないでしょうか。武漢のひとも、「日本では、知名度がない」と嘆いていました。
だから、この旅行記を始めるにあたり、地名の由来と、三国志のつながりを確認しています。
いちど訪れてしまえば、みんな、ウーハン、ウーハンと連呼していたので、愛着がわき、違和感がなさすぎて、「当初は知らなかった」のがウソみたいで、おかしく感じられます。不思議です。

武昌は、孫権が都に定めた場所。漢陽・漢口は、漢水という川に関わる地名。武昌の「武」と、漢陽・漢口の「漢」を取って、「武漢」ですね。

合成地名というのは日本にも多くあって、日本の東京大田区は、「大森」と「蒲田」を合わせたものだそう。歴史ファンとしては、地名が記号的に処理されているので淋しい一方で、片鱗だけでも残るのは喜びでもあります。


旅程は、4泊5日。2019年12月20日~25日。
漢口に泊まりました。
漢口の街中には、「漢」を図案化したデザインがあちこちにあって、漢王朝との繋がりを感じられるところでした。あまりに当然のように、「漢」が散りばめられているから、漢王朝のテーマパークのようであり、しかし、「漢」字が、随所にあるので写真を撮り忘れるほどです。帰ってきて、ハッ!と後悔しているところ。

日本の京都を観光すると、あちこちに「京」のデザインがあると思います。しかし、いちいちカメラに収めるか。忘れますよね…。という、情けない話。
上の画像にある、茶色の「漢」です。都市のロゴなのでしょう。
漢王朝の名前の由来は、益州漢中郡ですが、漢中郡は、漢水の上流です。おなじ川が名前の由来ですから、「ゆかりがある」と言っていいでしょう。偶然の一致ではありません。ルーツが同じです。


あんちょさんに案内して頂きました

案内役は、あんちょさんです。

ツイッターアカウント:@ancyon_twi
ブログ:https://ameblo.jp/ancyon/

ぼくの中国語は、最低限の旅行会話レベルを下回るので、あんちょさんのコーディネートがないと、そもそもこの旅行が成り立ちませんでした。この場を使って、あらためて、ありがとうございました。

ぼくの現代中国歴は、きわめて貧弱です。この旅行記が、「三国志は好きだが、中国旅行はハードルが高くて、行く機会を作れない」というひとの参考になれば幸いです。自分用メモも兼ねて、現代中国の(旅行)事情をお伝えできたら…という視点で書いています。

ぼくの旅行者としてのスペックについて。
中国語は、大学の第二外国語で2年、学びました。2001年度だけ、NHKのテレビ中国語会話を毎週見ていました。大学生協の購買部?で、毎月テキストを買うぐらいには熱中していましたが、それっきりご無沙汰。

旅行直前、自分の語彙として脳内にあるものをチェックしたら、「好(ハオ)」「対(トイ)」「不(プー)」ぐらいでした。自分から言えるし、聞き取れる自信があるのは、短い返事だけです。うまく訳せませんが、「うん」「ええ」「いいえ」にあたります。
数字の表現すら、ままならないです。

中国旅行は、2006年初め、成都に4泊5日したことが1度あるだけ。この間に、中国は、経済的に発展しました(と聞きます)し、地域差がはげしいと聞くため、実質的に「はじめて」と言ってもいいと思います。

この間、三国志がずっと好きだし、このサイトも手を加え続けていました。
なぜ14年弱も中国に行かなかったかといえば、明確な理由はありません。海外とはいえ、距離的には近い。隣国といっても、まちがいではない。渡航費用も渡航時間も、それほどではない、ということは知っていました。
三国志の史跡を訪れもせず、なにをしていたかといえば、会社員をやってました。
では、海外旅行をするイトマもないほど多忙かといえば、必ずしもそうではない。うーん、なんでだろう。やっぱり、成都に行ったことが、強烈なストレス体験だったので、おのずと忌避してたんだと思います。
語学力のカベがあります。当時は、現在よりは、もうちょっと語彙があったはずでしたが…。異文化のなかで、極度の緊張状態に置かれることが、やはり、「あまり愉快ではない」と思っていました。

2006年、現地ツアーに飛び入りで参加したとき、中国人に囲まれて、脈絡なく、「南京大虐殺を知っているか」と聞かれたのも、足が遠のく理由になっていたのかも知れません。「虐」の字は、ピンイン(現地発音)を知らないが、「南京」と「大」「殺」は分かったので、反応ができました。
もし、単純に聞き取れなかっただけなのに、「知らない」と答えたら、どんな「空気」になっていたのか…と、ときどき脳内にフラッシュバックするというか、へんな「復習」をしてしまうことは、今でもあります。かりに「知らない」「分からない」と言ったら、どうなったのか。せめて、「聞き取れなくて分からない」と言っていたら?いや、ごまかすために、語学力が急速に低下したフリをしたんだろ?って言われたら?…とかです。
nan2 jing1 da4 nUe4 sha1だそうです。


脱線しました。
ともあれ、14年間も遠のいていましたが、あんちょさんに、ガイドをお願いすることで、久しぶりの中国旅行が実現したのです。そのぐらい「中国を訪れることが消極的」な人間が書いた、中国旅行レポートである、ということを、ご了解ください。
頻繁に旅行に行くひとからすると、「今さら、そんなところで、つまずくのか?」という話ばかりかも知れません。
反対に、「三国志は好きだが、現代中国はハードルが高い」というひとには、同じ目線から、読んで頂けるのではないかと思います。現代中国の初心者ゆえに、「いちいち気にとまるし、記録の必要性を感じている」ことって、あると思います。

超初心者という視点は、すぐに失われます。そういう意味で、何度も書くことができない種類の、「貴重な」レポートになるのではないかと。

結論を先にいっておくと、とても楽しかったので、もっと頻繁に現代中国に行きたいと思うようになりました。ハードル、垣根が、だいぶ融けたと思っています!ふつうに快適に、旅行し得るところだった、というのが、いちばんの感想、感触でした。

国家まるごとテーマパーク

いきなり1人で行け!と言われると、イヤですし、無謀な1人の弾丸旅行は、お勧めできませんが…、

2006年の成都は、1人で飛び込んだ結果、現代中国から足が遠のいた人間が言うのだから、間違いありません(笑)

この旅行記をご覧になった方の、心理的な抵抗感が、少しでもなくなれば、いいかなと思っています。「中国旅行は、楽しいですよ。食わず嫌いは、惜しいですよ」というメッセージが、この旅行記の一貫したテーマです。

留学やビジネスで行く人と違って、いい意味で、利害関係が乏しく、「無責任」な旅行者にとっては、現代中国は、三国志の大規模なテーマパークのうえに、現代人が住んでいるという捉え方もできるわけです。さすがに、言い過ぎですけど。

「史跡をメンテし、見学しやすくして下さって、ありがとうございます」ぐらい、極端な見方でも、いいと思うんです。それで、旅行する勇気が出るのならば。もしも、三国志の舞台が荒廃し、だれも住まなくなっていたら、探検隊を組まないといけなかったのです。

もちろん、ルールは守ります。定められたお金を払います。出会ったひとたちには、敬意をもちます。その上でなら、ただの旅行ですから、かれらの邪魔にならない傍観者として、気軽に出掛ければいいと、ぼくは思います。

自分で書いていて思いますが、現代中国に対して、ものすごい「距離感」がありますよね。今回の旅行は、ぼくのことを1ミリも知らない、ぼくに全く関心がないひとたちのなかに、「おじゃまする」というのが、素直な感覚でした。
余談ですが、旅行後、会社に出ると、「待ってました」とばかりに、繊細で複雑な「相談」案件が持ち込まれました。それをテキパキ裁きながら、旅行先での(よい意味での)孤立ぶりを、改めて意識しました。


現代中国の経済について

中国のGDPは、2010年に日本をぬいて世界2位に。

2010年当時、会社の帰り道、電車の乗り換えをするための歩行者のデッキ?で、このニュースをガラケーで見て、「ああ、そんなことになっているのか」と、思いを馳せた記憶があります。なんの感慨だったのかは、忘れました。

2019年に至り、日本のGDPは、中国の3分の1くらいだそうです(違ったらご指摘ください)。
隔世の感です。
2006年時点では、「先進国から、発展途上国に旅行する」という感覚を持っていました。インフラや建物などは、整備されていないだろう。物価は安いだろう…という気持ちで行ったんです。
14年弱を経た現在は、数字的には逆転が起きているわけですから、「貧乏で停滞した国から、裕福な国に赴く、オノボリさん」という覚悟で行きました。物価が高い(相対的に日本円が弱い)だろう。近未来のインフラや建物を見せられて、圧倒されて、経済力の差を見せつけられるんだろうな…という先入観を持っていました。

いまや、アメリカと「貿易戦争」をおこない、世界の覇権を争っている中国。
経済ニュースを通じて、ザックリ(本当にザックリですね)としたイメージだけを持っていました。この答え合わせは、おいおい行っていきます。

結論を先取りすると、あんちょさん曰く、「沿岸部の外国人が観光・生活するエリアは、東京よりも家賃が高いところがあるが、それ以外は、日本よりも物価が安い」とのことでした。その通りでして、旅行代金は、安く抑えることができました。
ただし、2006年のように、「ただみたいな値段で、何でもできる」という、おかしな有能感はなかったです。手持ちの人民元(日本円で50,000円相当)が、足りなくならないか…と心配しながらの旅行になりました。

思いっきり単純化するなら、日本の3分の2ぐらい!と思っておけば、大きくは外さないと思います。飛行機の乗り継ぎで、北京と上海をウロウロしたんです。武漢以外も、チラッとは見ています。総じて3分の2くらいです。

物価事情と、旅行者のふところ

ものの値段というのは、日本の価格の比率が、そのままスライドするわけじゃありません。たとえば、日本だとポテチが100円で、ビール1缶が300円ならば、「ポテチ3個で、ビール1缶」というレート(バランス)が成り立ってます。しかし武漢では、ポテチが4元、ビール1缶が8元だと、「ポテチ2個で、ビール1缶」というバランスです。
これは、為替のレートとは別ですね。
1元=10円から、1元=20円になれば、円安により、われわれ日本円保有者から見たら、中国の物価が2倍に上がってしまうわけですが、それとは別に、もの同士、サービス同士のバランスも、見ていて面白いなと思いました。
お金を使うとき、注意が必要だな、とも思いました。

ここに書いた値段は、だいたい実態に近づけていますが、あくまでサンプルです。


ぼくの全体の感想としては、移動費(タクシー・鉄道)は日本よりもかなり安く、距離のわりに、ほぼタダみたいに感じられる。これは、移動が主目的である旅行者にとっては、とても嬉しい。
博物館や観光施設は、日本と同等。高いと、数千円ほど、かかります。

赤壁古戦場は、130元(2千円ほど)でした。

武漢の食べ物は、日本の3分の2ぐらい。ラーメンが、日本風にいうワンコイン(500円相当)で食べられるかな…という程度。びっくりするほど安い!とは、言えませんね。調子に乗りすぎは注意です。

日本の飲食店は、「ランチ価格」がとても安く設定されていますが、あれは異常値なので、頭から叩き出して、ディナー価格をイメージしながら、物価感覚を養ったほうが安全そうです。

書籍は(輸入された本を買ったとき、現地通貨で定価が書いてあるように)4分の1くらい。日本ではハードカバーになるような、ちょっと専門的な内容の本でも、ペーパーバック(簡素な装丁)であり、日本の文庫本価格で買えます。

それから…、これは重要ですが、
同じものでも、買う場所(空港か、どこの都市か)によって、3倍以上の開きが出る…という感じです。
日本では、買う場所による差異を感じることは少なく、上方硬直性(どこで買っても、ほぼ同様に安くなるように、価格競争が行われた成果)が働いているように感じるので、中国とは事情が異なります。警戒を怠ると、みるみる、手持ちの現地通貨が減っていくので、注意が必要です。
このように、もの同士・サービス同士の価格バランスが異なります。

よい事例は、これです。
どこでも売っている、ミネラルウォーター「農夫山泉」。550ml。
たくさん飲みました。生命線でした。
北京の故宮の売店では、6元で買いました。約100円なので、そんなもんかと。
あんちょさんに合流後、この話をしたら、「2元ですよ。外国人価格、観光客価格で買いましたね」と言われました。ラベルには、希望小売価格が2元と書いてあります。しかし、街中のいろんな店や駅では、たいてい3元でした。

「日本で、4泊旅行をするとき、私は7.5万円ぐらい使う。中国の物価は3分の2として、5万円相当。これを人民元に置き換えて…」という思考法は、危険であるというか、計算じたい、成り立たないんですね。
なんでも、機械的に3分の2ではないから。
移動費がびっくりするぐらい「優しい」設定だったので、気が大きくなったと思えば、別のなにかを買おうとしたとき、自分の金銭感覚に照らして、高額請求(に感じられる)価格設定に直面したりします。人民元と円のレートよりも、要注意なのは、もの同士・サービス同士のバランスなのではないかと思います。

人民元はおおめに準備したい

物価の感覚は、為替レートだけでは、つかめない。
人民元は、日本から多めに持っていくことを推奨いたします。

今回は、ネットで検索し、GPA外貨両替専門店 ONLINE STOREを使いました。使ったのは事実ですが、推奨しているわけではありません。とどこおりなく、家に外貨が届けられたので、そこはよかったです。

空港で、外貨に換えることは簡単そうでした。中学校レベルの英語が怪しく、乳児レベルの中国語しかできないぼくでも、できるでしょう。
現地の街中では、今回、換えなかったので、まだ知らないです。

空港は、かろうじて英語が通じる「ワンダーランド」なので、とても落ち着きます。パスポートを見せれば、「外国人だから、慎重にコミュニケーションせざるを得ないな」という配慮が受けられるので、まだ救いがあります。日本円から換えるのは、遅くとも、空港で済ませておきたい。
決して、現地の街中のひとが不親切と言いたいのではなく、相手が外国人だとしても、どのように対応すればコミュニケーションが取れるのか、彼らもノウハウがなく、戸惑うので、おたがいに困ってしまう、ということです。


あらかじめ日本にいるうちに、遅くても空港で、日本円を人民元に換えておくのが、必須です。これは、強く言いたいです。

人民元さえ持っていれば、不測の事態がおきても、「悪いようにはならない」と思います。強引な解決法が、選択肢に入ります。

こだわるべきだ、と感じたのは、やはり為替レートです。
為替レートというのは、換金してくれる業者の手数料が乗っているので、中値(なかね)から、私たちが不利になる方向に、設定されています(スプレッドが開きます)。19年12月時点でも、15.5円で換金できるところから、17.5円のところまで、いろいろあります。
「たかが2円じゃないか」と思ってはいけません。
たとえば、10,000円を換えたとき、前者は、10,000円÷15.5=645元。後者は、10,000÷17.5=571元。74元の差が出ます。

信頼できる(とされる)業者を使うと(一般的に)レートが、私たちに不利になりやすい。労力をかけずに発見でき、ヤキモキせずに済む業者だと、やはり、私たちにとって不利になります。ものの値段には、必ず理由があるんですね。

効率的市場仮説が、働きやすい分野だと思います。

たとえば、銀行をつかうと、レートが不利になる。それは仕方がない。
「賢く、有利に振る舞いましょう」というのは、正しいアドバイスですが、当たり前すぎます。ぼくが(わざわざ)強調したいのは、この点ではありません。

ぼくのような初心者は、旅行の準備段階で、「50,000円を人民元に換えていこう」とか、日本円で計画を立てると思います。そのとき、レートが違うと、手にできる人民元の量が変わります。上記の例ならば、前者でなく後者を使ったとき、10,000円あたりの差額74元×5倍=370元の差が出ます。
落とし穴はここです!
投入した日本円は、充分に多かったにも関わらず、レートが不利だと、持って行ける人民元が少なくなり、旅行での行動が制約されます
現地で、手持ちの人民元が枯渇すると、おおむねゲームエンドです。370元というのは、旅行中の感覚からしても、かなり大きい。これがあるとないとでは、できることが大きく変わります。

レートの数字は2円差ですが、比率にしたら、13%くらいありますからね。持って行けるお金が、13%も変わったら、それは、全然「ヒットポイント」が違う。


人民元ベースの必要価格を確認しよう

ぼくがアドバイスできるとしたら、なるべく有利なレートで交換できるところ探すのは当然として、
旅行に詳しいひとに、「元ベースで、いくら持っていくべきか」を聞くことです。
旅行に詳しいひとは、概して、有利なレートで交換できるところを知っています。旅行に詳しいひとが、「50,000円分あれば充分だよ」というとき、それは、有利なレート(50,000円÷15.5=3,227元)で言っているかも知れません。額面どおり真に受けて、しかし、自分では不利なレートで人民元を準備すると、50,000円÷17.5=2,857元しか、手に出来ません。
すると、アドバイスをくれたひとの想定よりも、3,227元-2,857元=370元も、足りないということが起こります。
「えー!たったそれだけしか、人民元を用意してこなかったの」と驚かれても、後の祭り…とまでは言いませんが、けっこうピンチです。

あと、金銭感覚は、ひとによって、全然ちがいます。アドバイスを求めた相手と、自分との購買行動は、同じでしょうか。
相手が(旅行時において)浪費家ならば、いいんです。アドバイスに従った結果、人民元を余計に持っていくことになるからです。しかし、相手が倹約家ならば、旅行中に人民元の勢いよく減るため、厳しいことになります。自分のペースで使っていたら、たちまち手持ちが枯渇します。

入国後、お金を使うときは、簡単のために、「1元=20元」で暗算しながら使えば、大きくは、誤らないでしょう。
円安方向に想定しているため、手元に人民元が、より多く残っていきます。余計な買い物を、コントロールできるかも知れません。

人民元が残ってしまい、今後、しばらく中国にいく予定がないと、人民元を残すことがムダに感じられることでしょう。銀行などで、日本円に戻すと、さらに逆方向に手数料(スプレッド)を取られ、目減りします。お金が減るのは、愉快ではありません。
しかし、そういった心配は、慣れてからではよいのではないでしょうか。現地で、人民元が枯渇するリスクのほうが、致命的に思えます。元あまりは、必要コストと割り切ったほうが、よいと思います。
中国に頻繁にいくひとに、個人間で交換してもらう手もあります。レートを、お互いが納得するように定めれば、あいだに銀行を挟むよりも、両者がもうかる(2人とも、手元にお金が多く残る)ことになります。


早く、三国志の史跡の話をしなさい、って声が聞こえてきそうですが、まず、生き残って、お金の心配をせずに旅行をしないといけないので、今回の教訓を長々と書きました。本編につづきます。191227

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2.事前準備編/中国のネット事情

飛行機のチケット取得

三国志に専用の知見ではありませんが、飛行機のチケットのこと。14年前は、家にチケットが郵送されたような気がするが、今日では予想どおり事情が異なります。

注意したいのが、ネット予約するとき、パスポートのローマ字表記を正しく入力すること。入力ミスは論外ですけど、ぼくの場合、「さとうひろお」という名前で、クレジットカードや自称表記のとき、「SATOH HIRO」としています。しかし、パスポートの基準では、「SATO HIROO」となるようです。
「お父さん」をローマ字にしたら、「おとさん」「おとうさん」「おとおさん」か。「お姉さん」が「おねさん」「おねいさん」「おねえさん」か。パスポートの独自ルールがあるらしく、ひとつに決まりません。
「ji」と「di」、「ju」と「jyu」。「si」と「shi」など。自分が思っている表記と、パスポートを作ったとき、窓口で強制される表記は、同じではありません。

航空会社によって、表現のゆれ(パスポートとネット予約時の入力名の違い)を許している会社と、そうでない会社があるそうです。空港に行ったとき、搭乗拒否にあったら、目も当てられません。

ローマ字は所詮、音の記号ですが、例えば日本語で、ひらがな表記だとして、「とおる」さんを「とうる」さんと書いたら、認証失敗です。別人の名です。口に出したら、大体同じだろう!とか、そういう問題ではない。

ぼくは、予約後に気づいて修正したんですが、変更手数料がかかる場合がある、無効になる場合がある(キャンセル料を負担し、さらに新規で探す)だそうです。新規で探すとき、空席がなかったら、旅行はアウトです。

飛行機のチェックイン

今回は、エクスペディアというサイトで予約しました。予約が完了すると、こんな画面が出ます。「E チケット : このページは E チケットとして使うことができます。旅行前に旅程を印刷してお持ちください」とあります。
そのとおりでした。



言うのを忘れてましたが、今回は、往復のチケット代が、35,000円でした。
旅程番号と、パスポート番号がわかり、パスポート現物と照合ができれば、あとは空港で、自分が予約した空港会社の窓口に行けば、なんとかなります
空港の窓口でやることは、日本でも中国でも同じです(そりゃそうか)。窓口のひとに面倒がられても、日本を出発するとき、発券にあたって不安なことを、根掘り葉掘り、日本語で聞いておくといいかも知れません。

中国の窓口で、なにかを要求されても、死亡確定なので(笑)


窓口で意味がある問答があるとすれば、
せいぜい、預ける荷物があるか?ぐらいです。あと、あんまり早い時間だと、搭乗口が決まっていないので、「あとで改めて確認したまえ」って言われました。口頭では、聞き取れませんでしたが、チケットを見たら、理解できました。
安全検査(手荷物検査)を通過したら、搭乗口の連絡を確認せよ。

これ以外に、発券したあと、搭乗口が変更になることがあり、それは、ディスプレイに出ています。なんにせよ、空港内は、外国人の取り扱いになれているので、死亡する恐れは、ほとんどありません。

中国の窓口では、無言でもいいし、「要票(ヤオピヤオ)」「発票(ファーピヤオ)」とか、ひとつ覚えに唱えて、日本で印刷したウエブページを持っていけば、中国でも、紙製のチケットに換えてもらえます。もっと、ちゃんとした言葉はあるでしょうが…。

日本のパスポートを示しながらの手続きなので、相手も、構えてくれます。


空港内のあの場所で、やることは、おおむね1つだけです。チェックインというらしい。
ものすごく不安でしたが(発券できない!と言われるかも知れない)、ここは、ドキドキするポイントではないと思います。

日本国内で完結する手続だと、ITが未成熟なので、なにか定型の紙を、家から、万全に準備しないとNGって言われそうな気がします。ささいなことで、拒絶されることがあるでしょう。しかし空港では、旅程番号・パスポートがあれば、見せる手段・形態は問われないようです。

ITが進展しているとはいえ、飛行機にのるときは、空港の窓口で受け取った紙のチケットを出してもらい、それを使います。機内では、電波を飛ばせないので、そこはアナログです。

ウエブチェックインなるものを、受け付けている会社もある(どこも同じ?)。出発の48時間とか、24時間とか、時間が接近すると、座席指定などができます。
ぼくは行きの飛行機は、ウエブチェックインをした。帰りは5日後なので、事前にウエブチェックインができなかった。帰国前日のホテルで、ホテルのWi-Fiをつかい、ウエブチェックインを試みましたが、失敗しました。
しかし、ウエブチェックインをしていても、けっきょく窓口で発券してもらわないといけない。所要時間に違いはないと思うので(ぼくの知識不足で、メリットを享受できていない可能性あり)、やらなくていいかと。あんちょさんも、やってなかったです。

自動発券機があったので、あれを使えるのか?すみません!分かりません。


インターネットの接続について

スマホは便利ツールですが、壊れて・なくして使えなくなっても、旅行が成り立つように、頭でシミュレーションします。

スマホが、観光用のカメラの役割を兼ねると、壊れる・おとす・なくす確率が上がる。

フリーのWi-Fiは、中国の空港でも、登録しないと使えません。おのずと受信し、自動接続はできません。
ぼくは、北京空港で、乗るべき飛行機が遅れていたので、武漢で現地合流する予定の、あんちょさんに連絡するため、電話番号の登録(日本を選び、080から始まるものを入れた)が、うまく登録できませんでした。方法はあるのでしょうが…。

空港の服務員(従業員)に、せっつけば、接続の方法を教えてくれる。というのが、あんちょさんのアドバイス。ぼくは試していませんが、Wi-Fiが使えないと死亡確定のときは、せっつくのは、アリですね。上記のように、空港までは、外国人への対応を知っています。言語だけでなく、外国人のトラブルへの対処法も含めて。


旅程のなかで、「スマホで見せよう!」と思っている、手続に必要な画面があるならば、スクリーンショット・画面コピー(表示されているものを、画像ファイルとして保存)しておくとよいです。

ただし、スマホが吹っ飛ぶことは、つねに想定します。プリントアウトし、複数の場所に、バラバラにしまっておくと安全です。バッグが複数あるなら、それぞれバッグごとに、プリントを入れておく。紙なんて、重さゼロですから!
なにか事故があったら、たちまちアウト!という状態は、少しでも遠ざける。

あと、よく言われていることですが、Google・youtube・Twitterは使えません。かりに、オンライン状態でも、「見つかりません」ってなります。Facebookもダメらしいですが、試してないので分かりません。

Googleの代わりに、「百度(バイドウ)」という検索サイトがありますが、現地ではじめてアクセスするには、URLを打ち込まなければならない。使いたければ、日本で準備しておくべきでしょう。そして、文字を打てるか。検索結果を、自分の語学力で理解可能か、練習をします。ほんと、検索サイトが整う前の、1990年代なかばの状態から、再出発になります。

LINEは、ダメと聞いていましたが、通信に時間がかかるが、繋がります。規制が、突然ゆるくなったり、厳しくなったりします。当局の方針は、分かりません。希望的観測を持たないこと。これに尽きます。

あんちょさんによると、日本からamazonで購入した、香港のSIMカードなら、中国国内でいろんなサイトが見られるそうです。ふつうに、スマホを触ってましたね。政治の争点になっている、一国二制度というやつでしょうか。amazonで購入するのが、いちばん安いそうです。これも、時々刻々と状況が変化するはずなので、ここで読んだから、今後も通用する!とは、考えないでください…。


百度地図

現地を歩き回るとき、地図が便利です。あんちょさん曰く、

百度地図のオフライン地図があると、現地で現在地が分かってちょっと楽しいです! でも別にまったく必要ありません!(笑)百度地図はスマホアプリの話です!
マイページみたいなところに、离线地图ってのがあるので、そこで湖北省武漢市、咸陽市(赤壁の戦場がある)、荊州市、安徽省合肥市、をダウンロードすれぱオフラインでも地図が見られます!


日本にいるうちに、「百度地図」で検索し、アプリをダウンロードします。そして、旅行予定の都市をダウンロードします。
あんちょさんは、「必要ありません」と言っていますが、土地勘がないならば必須です。もちろん、紙の地図で代用できますが。

スマホが死亡する前提で備えるなら、紙の地図も必要でした。
紙の地図を持っていくならば、該当するページを破るか、コピーするかですね。危機への対処能力、移動するための能力は、「体力」が基本となります。重たい地図帳を、まるまる持っていくのは、お勧めできません。動けなくなるし、判断力も鈍ります。フットワークの低下は、避けなければいけません。
後述しますが、重い荷物があると、中国の国内の鉄道の改札をとおる、安全検査のとき、ちょっと面倒です。


中国の主要都市のなかは、地下鉄が発達しています。観光地が、どの地下鉄の駅のそばか。空港から街中に行くには、どうしたらいいか(空港に帰るにはどうやっていくか)は、生命線です。
地下鉄は、けっこう難易度が低いです。ただし、コツは必要。

地下鉄に辿り着ければ、路線図がありますが、ぎゃくに、地下鉄の駅に行かなければ、路線図を見ることができません。
日本ならば、コンビニで地図を立ち読みするとか、街角に立っている地図の看板とか、地図を見る方法はいくらでもあるんです。しかし、中国では、立ち読みできるようなお店もあまりありませんし、地図を売っているような書店も…、あったのか?というレベル。現地調達は、ナシの前提です。
現地のひとに、道を聞いて、旅程を立て直せるならばいいですが、それができたら、苦労がないわけで。

上海の空港は、2つある

ぼくは、単独行動をとるとき、この百度地図を使いました。北京空港から故宮に行くときと、上海の空港のあいだ(虹橋→浦東)を移るとき、この地図を頼りました。
上海市の西側に、おもに(中国の)国内線が発着する、虹橋空港があり、東側に国際線も発着する、浦東(プートン)空港があるんです。オンラインで航空券を予約するとき、「上海で(飛行機を)乗り継ぎ」と表示されているだけでしたが、しれっと1時間以上かけて、空港のあいだを地上移動することが、無言のうちに要請されているなんて、トラップですよ。



この地図は、スマホ操作(人差し指と親指で、つまむ/ひろげる)ことで、縮尺がかわります。表示範囲を狭くしたら、地下鉄の駅も表示できます。



あんちょさんは、「どこを走っているか、分かって楽しい」と言っていましたが、楽しみのレベルではない(笑)
地下鉄において、車内アナウンスを聞き取るのは、容易ではない。ぼくは半分ぐらい聞けましたが、まずは聞けない前提で、旅行するしかないです。
地下鉄の車両は、日本よりもキレイですが、つぎの停車駅を、つねに&くりかえし表示してくれない(これは日本より不親切かも)。ドアの上に、走っている場所を、電気で示してくれる場合がありますが(武漢はそうだった)、ただの駅名ラレツの印刷物しかない場合がある(上海はこちら)。

地下鉄は各駅停車です。駅に止まるたびに、ホームに大きな表示があるので、注意していれば、現在地は分かる。目的地まであとどれくらいか見当を付けるには、百度地図で追っていると安心なんです。
というわけで、オフラインでも使える、百度地図は、必須だと思います。

早く出発しろよ!旅行のレポートしなさい!という感じですが、旅行者にとっては、欠くべからざることだと思うので、書きました。191227

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3.中国旅行の必須語彙_トップ10

旅行で必須と思った中国語をご紹介します。
簡体字やピンインの学習は、別に必要だと思いますが、最低限これだけあれば死なずに済むかなというレベルの単語です。発音でき、聞き取れたほうがいい中国語と、その理由を書いていきます。10個に絞りました。

カタカナ発音じゃ、ダメなんですけど、それでも知らないよりは、全然いいです。


01_护照(フーチャオ)パスポート
出入国だけでなく、中国の長距離鉄道やホテルを利用するとき、観光施設に入るとき頻繁に提示を求められる。
「フーチャオ!」って言われてるのに理解できないと、鉄道・ホテル・施設に入れず行き詰まる。
中国人が身分証明書カードを頻繁に、機械にタッチしている。外国人にとっての身分証明書が、パスポート(タッチ機能は使えない)。中国において、身分証明書がカード化されたことの余波を食らって、われわれ外国人は、パスポートを提示を求められる機会が増えている。

駅員などに手渡して、チェックを受ける機会がおおく、手荒に扱われて、ボロくなる。100円ショップで、ビニールケースを買っておくとよい。


余談ですが、故宮に入るときもパスポートの提示を求められたが、チケット売り場のひとが「パースポー」って言っているのを聞き取れず。料金を支払う場面なので、「パー」は「八」で、「ス」は「四」で、「ポー」ってなに?って。
われわれが「日本人なまりの英語」を喋るように、中国人は「中国語なまりの英語」をしゃべります。これはこれで、かなり難解です。売り場のひとは、外国人だと思って、英語を使ってやっているのに、なんで反応しないだよ!ってキレてました

02_不要(プーヤオ)「要りません!」
ぼくらが求めていないにも関わらず、あちらから話し掛けてくる中国人は、悪人ではないにせよ、キャッチセールス=商売人。彼らが、言葉すら不自由で頼りない観光客に、わざわざ話し掛けるには、相応の「理由」があると考えるべき。

よほどの高級ホテルならいざ知らず、空港や駅で、正規の従業員が、「お手伝いしましょうか」と話し掛けてくれることは、ないと思っていいと思います。「ものすごく、困っています」オーラを出しても、誰も助けてくれません。
たとえば、切符を買えずにオロオロしてたら、「オレの車で送ってやろう」という中国人に話し掛けられました。空港でウロウロしてたら、「オレがチェックインしてやろう」というヤツに、関連書類を出せと言われました。なんの説明もなく、当たり前のように近づいてくるので、日本の感覚なら、正規の従業員が、「お困りですか」と助けてくれそうな文脈ですが、中国で、そんな気の利いたことは、起こり得ません
一見親切で、スマホに指で漢字を書いて、コミュニケーションを取ってくれる。しかし、そんな手間をかけてくれるにも、理由がある。ふつうの商店、交通機関の正規職員は、そこまでやってくれません!
オロオロしていると、「お!商機!」という連中が群がるだけです。

困った客引きやキャッチセールスは、「プーヤオ」と言えば撃退できる。それ以上、粘られることは基本ない。魔法の突破呪文。

口頭でのキャッチセールスは、ガンガン迫ってくる。いちど、「プーヤオ」と断ると、びっくりするぐらい、ドライに諦めていく。しつこく迫ると、彼らが訴えられるか、捕まったりするのだと思います。


03_現金(シエンチーン)
中国人がお店で支払うとき、スマホ決済が主流化しつつある。わざわざ現金払いであることを宣言せねばならない。

赤壁古戦場のテーマパークは、「お釣りがないから、現金はお断りだ」って言われました。周囲に、みやげ物ショップや、飲食店があったので(営業時間は気まぐれ)、100元札をくずすことは、不可能ではなさそうだったが…。

値札があるものだけを選び、人民元の札を準備して(ちらつかせ)レジ前に立てば、あえての宣言が要らないこともある。近年の中国の傾向ゆえに、上位にランクイン!14年前は、要らない単語でしたね。

04_日本人(リーベンレン)
「言葉が通じないのは、日本人からですよ!顔は中国人に似ているが、勝手の分からぬ外国人なんですよ」と提示し、相手との距離を取る言葉。
語学サイトを見ると、「もう1回言って下さい」「ゆっくり言って下さい」という例文があるが、はっきり言って、そんな文は無効です。「日本人」のほうが、より実地で使える。だって、そもそも、自分のなかに語彙のストックがなければ、もう1回ゆっくり言われても理解できませんからね。もう1回、ゆっくり言わされたほうも、キョトンとしますよ。

学校では、「我是(ウォーシー)日本人」と習いますが、そんな主語述語は要りません。文脈で分かるでしょうという。「日本人」だけでよし。

似た効果のある言葉に、「外国人(ワイグオレン)」もあるが、ぼくは「日本人」のほうが、快適な旅行のために、役に立つと思います。
なぜか。さらに、「どこの国の人だ」とか、「少数民族か」みたいな問答を誘発しても、会話を続けることができないからです。

加えて、韓国人にまちがわれることが多い。韓国人の観光客も多いからだそう。しかし、中国人の反応を見ていると、日本人だと分かったときのほうが、打って変わって優しい(個人の感想です)。せっかく、日本の先人が築いた(と思われる)国際的な信頼を使わせていただいて、旅行を円滑に進めたい。そして、国の評判を下げないように、礼義正しく観光するのです。


ちなみに「日本語」は、「日語」リーユー、「日文」リーウエンと言いますが、この知識は要りません。「日本語でお願いします」なんて言っても、日本語ができるひとはいません。北京や上海の空港でも、日本語が使える従業員はいませんでした。

荷物検査のお兄さんが、ぼくの財布を開いてチェックし、1万円札を見つけて、「日本人か?」と(中国語で)聞いてきたので、「はい」と(中国語で)答えたら、「コ…ン…ニ…チ…ワ」ってオマケで言ったぐらい。

さっき書いた、おかしなキャッチセールスだけが、日本語の単語を知っていました。「ナゴヤ」「オカネ」とか。必然性がない、使わなくてもいい文脈で、日本語を使ってくるやつは、疑ってもいいかも知れません。日本語じたいが、レアなスキルです。

05_听不懂(ティンプトン)聞いても分かりません
「日本人、听不懂」と言っていれば、あきらめて手加減してもらえる。身分証の不提示や、支払いの踏み倒しは絶対NGですが、それ以外の要求ならば、ほとんどのことは、ヤレヤレと免除してもらえる便利な言葉。

「不明白(プミンパイ)」という、「分かりません」という表現とか、「不知道(プチータオ)」という、「知りません」という表現もある。しかし、あまりお勧めしません。
なぜか。ぼくの受け答えが要領を得ないのは、知識が不足しているのではなく、聞き取れないことがメインの理由なのです。ダメな理由を、きちんと伝えてあげると、スッキリと会話を終えることができる。
「知識にうまくアクセスできていないのか。もっと別の角度から、質問してやれば、答えられるのではないか」と期待されても、困るんですよ。そもそも、聞き取りが機能していないので、会話が成立してないんですよと。
また、耳が悪いと誤認され、大声で言ってもらっても、同様に会話できないので、ちゃんと、「(語学力が不足して)聞き取れません、聞いても分かりません」という意味で、「ティンプトン」と伝えると、一瞬で切り抜けられます。


06_多少銭(トゥオシャオチエン)ハウマッチ
値段を聞くことができる。
ただし、答えてもらっても、けっこう数字を聞き取れない。数字の表現は、方言が混ざりがちです。学校で習ったもの(北京語、普通話)と違うことが多い。つまずいたら、あきらめましょう。その人の発音と、自分の耳とは、相性が悪かったんです。
アラビア数字で書いてもらうと吉。値段の分からないものは、はじめから買わないのも賢い。
「元」の値段表記は、整数が多くて、けっこうシンプルなので、あらかじめ暗算しておき、それを中国語で言ったらどうなるか予期し、店員さんと答え合わせをする…ぐらいの気構えでした。それぐらいでないと、厳しいです。

07_这个(チェイガ)これ
飲食店などで注文するとき、指さしながら「チェイガ、チェイガ」と言っていれば注文できる。付随して質問を返されることがあるけど、肯定しても否定しても、あまり結果は変わらない。いちおう注文は成り立つ。言葉が通じないことを伝えたら、追及は已むでしょう。

ぼくが、注意深く聞いた結果、「袋は必要か」とか、「辛いものは食べられるか」とか、「箸を付けるか」とか、「1元はないか(お釣りがスマートに出せる)」とか、そういう思いやり系の、追加質問が多かったですね。聞き取れると嬉しいですが、イエスでもノーでも、大勢に影響はありません。

商品を買うとき、手に持っていけるものなら、言葉は要りませんが、指を差さないといけないときなどにも使えます。

08_下(シア)電車などを「降ります!」
人混みで前に進めないとき、「シア、シア!」と叫べば道を開けてくれました。目的地で降りられないと、旅行はとたんに行き詰まるので、覚えておいて損はない。あんちょさんに教わりました。効果はばつぐんでした。

09_机场(チーチャン)飛行場
初心者の中国旅行とは、要するに、到着した空港から解き放たれ、一定時間を経て、(帰りのチケットと繋がった)空港に帰ってくるのが使命であり、それ以外の時間の使い方はすべて余興といえるでしょう。
地下鉄などで、空港に繋がる路線を探すときは、この文字が読めないと、きびしい。緊急時や非常時、カネに糸目を付けずにタクシーで帰るときなどに「チーチャン」が言えないと、死亡が確定する。

ちなみに、飛行機は「フェイチー」です。


10_票(ピャオ)チケット
旅行者がおこなう、おもなアクションとは、移動です。移動に必要なのは、チケットです。空港や駅の表示でよく見るので、買う場所を探せる。提示を求められたとき、意味が分からないと提示拒否と見なされて、死亡が確定するかも知れない。

チケット販売をしているのは、「售票処(ショウピャオチュ)」です。


おわりに

以上10個、知らないと死亡確定の中国旅行単語でした。語学サイトを見ると、言い回しがたくさん載っていますが、意味がないと思います。なぜか。気の利いた例文を使って質問できても、回答が聞き取れませんから(涙)
あと、英語の授業でもありがちでしたが、「元気ですか」「ご機嫌いかが」とか、典型的な蛇足です。教えるなよ。
へんな会話の応酬を、する必要はありません。現地のひとも、忙しい。ぼくらと、ムダ話はしたくないんですよ。旅行中は、犯罪をせず、人民元を持っていれば、言葉が不自由でも、悪いようにはなりません。

初心者の中国旅行の敗北条件は、日本に帰れなくなること。
帰れなくなる要因は…。
(セキュリティや経済活動の)ルール違反で中国でつかまる、手持ちの人民元が尽きて補充できない、パスポートを無くすぐらいですか。ルールに従順に、支払は余力管理をきちんとして行い、パスポートを定位置に入れて常に点検してればよい。必須語彙も、それ関連に絞れます。

中国語で「はい」「いいえ」「あります」「ありません」などの言い回しがありますが、旅行初心者は、覚えていなくてもジェスチャーで充分です。日本と仕草が異なるせいで、逆の意味に取られる…ということは経験上なかったです。こだわらなくていいかと。まず質問が聞き取れませんしね!(ダメだけど)
「ありがとう」「ごめんなさい」「こんにちは」「またね」「おいしい」「すごい」「きれい」「やすくして」などは言えたほうが、もちろん中国旅行は楽しいものになりますが、必須語彙じゃない。あいさつ系は、同じ文を返していれば成り立ちます。これらは、初学者はわりと自然に覚えていたりしますし。191227

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