表紙 > 読書録 > 『後三国演義』を15分で読破できるよう短縮

04) 五胡十六国のキャラ集合

寺尾善雄訳『後三国演義』秀英書房1995
を短くアレンジして、ご紹介しています。最終回。

最終決戦、西晋の最期

赫連勃勃が、西晋のために、玉璽を運んでいた。劉淵は、赫連勃勃を心服させて、玉璽を手に入れた。

赫連勃勃は、五胡十六国時代の終わりごろ「夏」を建国する人。

劉淵のために、拓跋珪が吉報を持って現れた。

五胡十六国を統一する、北魏の皇族だ。もうご自由に。
名前を出し損ねてるけど、前秦を建国する苻氏も、いつのまにか劉淵の味方になっています。マジに総出演なのです。


劉淵は、洛陽に迫った。
西晋の懐帝はすでに亡く、愍帝が即位していた。

これはウソ。懐帝が健在のうちに、洛陽が陥落する。愍帝は、洛陽が落ちた後に、長安で抵抗した人。面倒だから、圧縮されたようです。

相変わらず、朝廷でいちばん強いのは、東海王の司馬越。
戦闘開始。慕容庵が、司馬越の脳天を射抜いた。

愍帝は絶望した。
「誰か、私と運命を共にしてくれる人はいないか」
「私がお供します」
進み出たのは、司馬睿の父・司馬覲である。
「私は以前に劉淵に敗れました。しかし今日こそは、劉淵に勝ってみせます」

東晋へのつながりに、ご執心です。司馬覲がカッコいい。

劉淵軍は、司馬覲を呼ばわった。
「ん? 惨敗の将軍が、ふたたび出てきたようだが」
これを聞いた司馬覲は、逆上した。敵陣に突っ込んで、頭を叩かれた。痛みが引かず、司馬覲は死んでしまった。
彼の忠臣ぶりを天が評価して、司馬睿は東晋を建国する。

ぼくは省略しましたが、司馬覲には、身に覚えのない子・司馬睿が生まれて、戸惑うシーンがある。妻が牛氏と密通した子だからね。天がほんとうに司馬覲を憐れんだなら、東晋なんて建てられないほうがいい?

結末の大ウソ

劉淵軍は、内側から洛陽の門を開けて、占拠した。
趙王の石珠は、
「私は、仙人としての修行を怠りました。俗世間に染まって王を自称してしまい、反省しています。あとは劉淵に任せて、私は天上世界に帰ります」
と言って去った。

石珠は、劉淵に軍隊を与えた人だ。外からやってきて、劉淵の事業を支えて、もと来たところへ帰った。化学反応の触媒みたいな人だ。

劉淵とスターティングメンバーの義兄弟たちは、それぞれ妻を娶り、家庭を築き、親戚と同じ交わりを結びました。めでたし、めでたし。

劉淵の漢ないしは前趙、石季龍の後趙、鮮卑の段部、同じく慕容部。4つは、五胡十六国のライバル同士だ。親戚どころか、最悪の敵同士である。めでたくない。


おわりです。
以上、本では2段組で300ページでした。15分でお読みいただくというのは、ムリだったかも。すみません。100204