04) 異民族の天才軍師
涼州で独立した、劉備の孫・劉淵。
西晋では武帝が死に、バカな恵帝が即位しました。
張飛の孫が、曹爽の孫に守られる
劉淵と別行動をしている張賓は、張飛の孫である。
史実の張賓は、趙郡中丘の人で、石勒の右腕だ。前漢の張良に準えられるほどの、参謀である。
もともと西晋末の叛乱者だが、張姓にかこつけて、張飛との血縁が設定されている。
張賓は、趙雲の孫、黄忠の孫とともに、蜀から関中に逃れた。従うのは、汲桑だ。汲桑は、趙雲の家の下僕だった人だ。
張賓たちは、100人の盗賊に包囲された。
「死にたくなければ、あり金を置いていけ」
張賓は答えた。
「私は漢中に旅行した帰りです。今から秦州の主人のところに戻るのですが、財産は持ち合わせていません」
張賓は、大立ち回りで盗賊を倒して逃げた。
逃げる張賓は、曹嶷という人に匿われた。
「私は曹爽の子孫です。曹爽が司馬氏のクーデターで殺害されたので、身を隠していたのです」
曹姓だけれど、曹爽と関係はない。『通俗三国志』の読者に親しんでもらうため、血筋の因縁が設定されたのでしょう。
曹嶷は、張賓のために、張掖郡の陳元達を紹介した。
「陳元達は、任侠で知恵が多く、徳に優れて、文にも通じている。いま陳元達は隠居しているが、志を得るのを待っている。陳元達を頼れば、張賓さんたちは、漢を再興できるかも知れない」
『晋書』載記の劉粲伝と陳元達伝から、漢の末路を辿る
張飛の孫が、軍師・陳元達を手に入れる
張賓は、張掖郡に行き、陳元達を訪ねた。
「主人の陳元達は、いま留守にしております」
「そうですか、残念です。陳元達どのは、どちらに居ますか」
「棲鳳楼で、詩を詠んでいます」
張賓が赴くと、陳元達が天下を憂う漢詩を、朗詠している声が聞こえた。張賓は、手紙のやりとりから始めて、礼儀正しさに礼儀正しさを重ねて、日数を費やし、陳元達と志を共有した。
陳元達の器量は、管仲や晏子と同じで、蕭何や曹参と並んだ。北漢を建国するため、陳元達はついに謀師となったのでした。
劉備の孫と、張飛の孫が合流する
劉淵は柳林川で、屯田を始めた。3万の兵を率いて、漢室の復興を狙う。劉淵に従うのは、斉万年である。
劉淵は、西晋の秦州への侵略を開始した。
劉淵の出撃を、張賓の軍師・陳元達が知った。
「張賓どの、秦州を攻める軍があると聞きました。もしかして、張賓どのと同じ旧蜀の人ではあるまいか。今こそ大業を始めるときです。行って、加勢しなさい」
張賓は、斉万年の軍と出会った。張賓は、斉万年に連れられて、劉淵に再会することができた。
劉淵は張賓と会い、喜んだ。
「まさに虎が羽翼を手に入れたようなものだ。漢室の3たびの中興は、きっと成功するに違いない」
斉万年が、1人で3将を斬る
秦州の守将は、夏侯惇の孫・夏侯ロクだ。
斉万年は、夏侯ロクが自慢の3人の猛将を討ち取った。
戦場の駆け引きが、気になる方は、原典をチェックしてみて下さい。
次回、諸葛亮の孫が、ついに再登場します!