表紙 > 読書録 > 韓非子の逸話を、最短でまとめる!

03) 学者の話は、コジツケだ

蔡志忠『マンガ 孫子・韓非子の思想』講談社1990
のマンガを、さらに圧縮したメモです。

弓を習わせるには

役人が領民に、弓を習わせたいと思った。
「訴訟の結果が出ないとき、弓がうまい人を勝訴とする
この布告で、領民は弓を練習した。実戦に役立った。

『韓非子』は、ニンジンで吊る話が多いです。

裸の王様

ある人が、斉王に言った。
「斉王、黄河の神に会わせてあげましょう」
祭壇で祈ると、大きな魚がたまたま現れた。
「斉王、あれが黄河の神です」
1人の意見しか聞かないと、王は何とでも言いくるめられる。

水と火の性質

火は見るからに恐ろしいので、焼け死ぬ人は少ない。水は温和に見えるから、溺れる人が多い。
法律を定めるなら、厳格なほうが治安を維持できる。

鄭の子産のエピソード。子産が気になる。

妻のお祈り

夫婦が神に、財産を得たいと願った。妻は小銭を欲しがった。
「もっと大金を欲しがればいいだろう」
「大金が入れば、あなたは妾を雇うに決まっています」
君主と臣下も同じで、双方の利益は違うのだ。

顧客満足というゴールは同じだが、サービス残業させたい経営者と、残業代がほしい労働者がいる。

太子はまだいない

「私の公太子は、元気か」
「太子は、まだ生まれておりません」
「すでに私は、太子を決めたじゃないか!」
「君主は色好みです。新しい子が生まれれば、目移りします」

三国でも、後継問題はホットです。

事件の裏に・・・

晋の文公の料理に、髪の毛が入っていた。料理番を悪んでいる人が、わざと髪を混入したのだった。
何かあれば、いちばん得する人を疑え。

利害は反する

王の風呂に、小石が入っていた。風呂番をクビにしたい人が、わざと小石を入れたのだ。

鼻をそがれた美女

愛妾に嫉妬した女が、ウソを教えた。
「王様に近づくときは、口を隠すといいよ」
女は王様に吹き込んだ。
「あの美女は、王様の臭いが我慢できないのです」
王は、愛妾の鼻をそぎ落とした。

古人の道

「前と同じズボンを、新調してくれよ」
母は、破れのつぎ当てまで同じにした。
古人の道を真似しても、これと同じである。

とても上手い話です。

功用を見よ

ある男が、王を騙して、召抱えられた。
「私は、極小の彫り物をつくれます。しかし王が節制しないから、私の作品を見ることができません」
男のウソを見抜いた臣下が、王に言わせた。
彫刻刀より、小さな作品はできません。男が作品を見せないなら、彫刻刀をチェックしてみてはいかがでしょうか」
男は、慌てて逃げ出した。

君子は器の如し

孔子が言った。
「君主は器で、臣下は水だ。君主が四角なら、臣下は四角くなる。君主が丸ければ、水は丸くなる」
君主が行動を正さないと、臣下は行動を正さない。

宋襄の仁

宋の襄王は、いらぬ情けをかけて破れた。敵が川を渡り終わるのを、待ってやったのだ。
仁義を守るより、臨機応変が大切である。

とても有名なエピソードです。

何のための虚飾か

娘の嫁入りに、美しい侍女をいっぱい付けた。婿は、侍女に夢中になり、娘はほったらかしにされた。
無意味な虚飾は、本質を台無しにする。

アイディアに走りすぎて、内容の分からん広告とか。

真の「巧」とは

墨子は3年で、木製のトビを作った。すぐ壊れた。
「奇異な発明は、意味がないんだ。半日で車を作る職人の方が、実用に堪える巧みだよ」

テイ書燕説

ある人が手紙を書いているとき、手元が暗いから「明かりをあげよ」と召使に言った。うっかり手紙に、その言葉を書いてしまった。
手紙を受け取った人は「賢人を用いよ」という意味だと解釈して、成功した。
古典の読解は、学者のこじつけである。

とくに史料が少ない古代史で、顕著に出てくる傾向です。